「自公」は唯一の安定した枠組み
バブル経済が崩壊した1990年代初頭から民主党政権が退場する2010年代初頭まで、日本は「失われた20年」と呼ばれる低成長時代を経験した。
冷戦崩壊によるイデオロギー対立時代の終焉、経済のグローバル化、新興国の台頭、インターネットの普及によるIT化など大きな変化を迎えながら、この間の日本の政治は十分な対応ができなかった。
大きな要因のひとつは、政治の安定が図られなかったことだ。この間、海部俊樹政権から野田佳彦政権まで、首相は14人。平均すれば1年半足らずで首相が交代していたことになる。
内閣が短命に終われば、当然ながら腰を据えた政策の立案と実行は困難になる。ましてや、既得権者の抵抗をともなうさまざまな改革の断行は難しい。 続きを読む