反戦」タグアーカイブ

「反戦出版」書評シリーズ② 『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』

ジャーナリスト
柳原滋雄

被爆体験を継承するための重要な一書

 2015年に新たに上梓された『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』は、前年に出版された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』につづく長崎編と呼べるものだ。
『ヒロシマ』は表題のとおり、男性のみによる証言集だったのに対し、長崎編には男性・女性の体験から成っている。 続きを読む

「反戦出版」書評シリーズ① 『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』

ジャーナリスト
柳原滋雄

直接体験をもつ最後の世代が沈黙を破る

 全80巻の反戦出版シリーズ(1974~85年に刊行)で知られる創価学会が近年、新たな平和出版活動を重ねている。以前の反戦シリーズは、同青年部がまとめたもので〝戦争を知らない世代へ〟が副題となっていた。
 2014年に新たに上梓された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』(第三文明社刊)は、表題のとおり、男性による証言集だ。 続きを読む

書評『「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか』

ライター
松田明

「言葉への信頼」を腐らせているのは誰か

 いささか刺激的な書名ではあるのだが、非常に丁寧に、そして誠実に作られた書物だというのが、読み終わっての率直な感想である。
 ちなみにカバーの折り返しには、

 これは勝ちたいリベラルのための真にラディカルな論争書だ。

 ともある。 続きを読む