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カンヌ映画祭が絶賛。禁じられた「愛」の物語――映画『キャロル』

ライター
倉木健人

ミリオンセラーとなった原作

 パトリシア・ハイスミスという作家の名前を聞いて、すぐに作品名が出てくる人は、かなりの文学通か映画ファンだろう。
 彼女には代表的な長編が3つあり、1つは『見知らぬ乗客』(1950年)、1つは『太陽がいっぱい』(1955年)。前者は次の年にヒッチコックによって映画化され、後者はいうまでもなく名優アラン・ドロンを一躍スターダムに押し上げた映画となった。 続きを読む