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沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第37回 沖縄固有の武術「ティー」は存在したのか(上)

ジャーナリスト
柳原滋雄

 この連載を締め括るに当たり、歴史の問題は避けて通れない。沖縄空手の起源をめぐっては、その解明に必要な史料の多くが、1609年の薩摩藩による侵攻、1879年の日本政府による琉球処分、1944年の米軍による沖縄大空襲や翌年の「沖縄戦」によって消失したとされる。近年、空手の歴史をアカデミズムの立場から研究する動きも新たに出てきているが、巷間流布されてきた幾つかの「定説」にも疑問の声が投げかけられている。その一つが、沖縄に存在したとされる固有の武術「ティー」をめぐる問題だ。例えばこれまで、沖縄空手の源流は、沖縄にもともとあった土着の武術「ティー」と中国から渡ってきた武術とが融合して形成されたとの「定説」がまことしやかに喧伝されてきた。本連載においても当初はそのように紹介した。ただし、現在の研究ではそれとは異なる事情も浮き彫りにされている。沖縄空手の歴史の問題を数回にわたり取り上げる。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第36回 沖縄伝統空手道振興会 新垣邦男・新理事長インタビュー

ジャーナリスト
柳原滋雄

 2008年に沖縄空手の有力4団体で結成された連合組織・沖縄伝統空手道振興会(豊見城市)。これまで各種国際セミナーの開催をはじめ、沖縄空手会館の運営などにも携わってきた。このほど喜友名朝孝・前理事長の任期を引き継ぎ、歴代4人目の理事長に就任した北中城村(きたなかぐすくそん)の新垣邦男(あらかき・くにお 1956-)村長に、振興会の今後の課題などについて聞いた。(取材 2019年6月27日) 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第34回 次世代を担う沖縄空手家群像(中)

ジャーナリスト
柳原滋雄

 昨年2月に始まったこの連載も最終盤を迎えた。40~50代を中心に次世代の沖縄空手家を紹介する2回目は、しょうりん流系の3人を紹介する。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第33回 次世代を担う沖縄空手家群像(上)

ジャーナリスト
柳原滋雄

 昨年2月に始まったこの連載も最終盤を迎えた。今回から3回にわけ、40~50代を中心とする次世代の沖縄空手家を紹介する。人数に限りがあるので多くの方々を紹介できないことをあらかじめご了解いただきたい。1回目は、沖縄県空手道連盟に所属する3人――。 続きを読む