昨年2月に始まったこの連載も最終盤を迎えた。40~50代を中心に次世代の沖縄空手家を紹介する2回目は、しょうりん流系の3人を紹介する。 続きを読む

昨年2月に始まったこの連載も最終盤を迎えた。40~50代を中心に次世代の沖縄空手家を紹介する2回目は、しょうりん流系の3人を紹介する。 続きを読む
公明党が自民党と最初に連立を組んだのは、今から20年前の1999年10月。民主党政権の3年半を除いて、「自公」連立は16年以上続いている。
自公連立は現在の日本政治で唯一の安定的な政権の枠組みになっている。それはなぜなのか。本書はこの問いに答えようとするものである。(『自公政権とは何か』「はじめに」)
著者の中北浩爾氏は一橋大学大学院社会学研究科教授で、日本政治外交史、現代日本政治論を専攻している。
おそらく「自公政権」についての初の本格的な分析となる本書を執筆した動機について、著者はいくつかのことがらを挙げている。 続きを読む
643万トン――。何の数値かわかるだろうか。
じつは、日本国内で1年間に廃棄される〝まだ食べられる食品〟の量だ。農水省と環境省は、2016年度のこうした食品ロスの推計量を643万トンと発表している。
たとえばスーパーなど小売店では、まだ賞味期限を過ぎていなくても、期限が近づいた商品を陳列しておくことは客から忌避される。
食品流通業界では長年の慣習として、製造日から賞味期限までの3分の1を過ぎた商品は小売店に納入できなかった。
2015年に、これを「2分の1」に延長したが、問題が根本的に改善したわけではない。また、スーパーやコンビニでは、むしろ弁当などデイリー食品の廃棄が大きな問題となっていた。 続きを読む
僕は小説家を志す前から人物観察が好きだった。たとえばデパートや駅の構内など、人がたくさんいるところへ出かけて行って、何をするわけでもなく、ただ、そこにいる人々を眺めている。
お年寄りがいる。子供がいる。会社員らしい男性がいる。買い物をしている婦人がいる。そういう人々を見ていると、どこからか物語が立ち上がってくる。この人は、こんな家に住んでいて、こんな家族がいて、こんな生活を送っている。本当は、そんなこと分かるはずもないのだが、何となく想像できる気がする。
それを想像してどうするわけでもない。ただ、そこにいる人物を観察して、背後にある物語を愉しむ。僕は大きな書店へ行くと、そこで何時間でも過ごすことができるが、人物観察も同じだった。つまり、僕は人という本を読んでいたのだ。 続きを読む
子供のころ建築家に憧れた。伯父が建設会社を営んでいた影響もあったかも知れない。何もないところに一から物を築き上げていく仕事が魅力的に思えた。ところが僕には色弱という視覚障害があって、ある種類の色の区別がつかない。
建築家は、電気の配線図などを見ることができなくてはならず、そのために色の区別は必要で、色弱には務まらない。同じように、手旗信号などの色を見分けることができなくてはならない船員にもなれない。実は、船員も憧れの職業だった。
建築家にも、船員にも、なれない。これは、けっこうショックだった。母に文句をいった憶えがある。すると、「おまえはテレビ・ドラマの見過ぎだ。産んでもらっただけありがたいと思え」と鼻で笑われた。なんとハードボイルドな母親か。 続きを読む