立憲民主党はどこへゆく――左右に引き裂かれる党内

ライター
松田 明

一度は決まった「共産党外し」

 右に行くべきか、左に行くべきか、立憲民主党内が揺れている。
 2月14日、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の野党4会派の国会対策委員長代理らが会合を開き、今後、国会内で連携を深めていくことを確認し合った。
 会合終了後に会見に臨んだ立憲民主党の奥野総一郎・国対委員長代理によれば、立憲民主党が呼びかけた会合で、「できれば毎週開催したい」と決まったという。
 これまで立憲民主党は日本共産党、国民民主党など主要野党との国対委員長会談を継続していた。ただ、ここには日本維新の会は含まれていなかった。
 昨秋の総選挙後、国民民主党がこの定期会談から抜けることを表明。立憲民主党の泉代表が日本共産党との連携を「白紙」に戻すと発言して以来、国対委員長会談の定例開催が見送られたままだった。 続きを読む

書評『「価値創造」の道』――中国に広がる「池田思想」研究

ライター
本房 歩

44カ所になった「池田大作研究」機関

 本年2022年は、日中国交正常化から50周年を迎える。半世紀前、まだ文化大革命の渦中にあった中国は、今や世界第2の経済大国に発展した。
 言うまでもなく中国は日本にとって、歴史的にも文化的にももっとも長く深い関係にある。今日も、経済的には最重要と言っていい関係だ。
 一方で政治体制や安全保障の枠組みの違いから、両国間には常にデリケートな緊張が続く。報道を通して私たちが触れる「中国」は往々にして、価値観の異なる理解しづらい巨大な隣人の姿になりがちだ。
 21世紀に入って中国では「池田思想」研究が広がっている。池田大作・創価学会名誉会長の思想についての研究だ。この事実を多くの日本人は知らない。 続きを読む

芥川賞を読む 第14回 『この人の閾(いき)』 保坂和志

文筆家
水上修一

平凡な日常生活のなかにある〝張りつめたもの〟

保坂和志(ほさか・かずし)著/第113回芥川賞受賞作(1995年上半期)

物語展開の少ない平凡さ

 第112回の芥川賞は、漫画家の内田春菊の「キオミ」などが候補作としてあがり注目を集めたが、結局受賞作はなし。次の第113回の芥川賞は、保坂和志の「この人の閾(いき)」が受賞した。1995年3月号の『新潮』に掲載された推定枚数93枚の作品だ。保坂は、この時すでに野間文芸新人賞(1993年)を受賞し、三島由紀夫賞も二度候補になっていた実力者だったわけで、そういう意味では満を持しての芥川賞受賞である。
 保坂の作風は、ドラマティックな物語展開のない、どこにでもある平凡な日常を語るところにあるが、「この人の閾」もまさにそうだった。事件らしきものもなければ、特筆すべき物語展開も起きない。 続きを読む

第47回「SGI提言」を読む(下)――核廃絶こそ人類の宿命転換

ライター
青山樹人

気候変動へ日中の連帯を

 今回の提言で、池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長は、未来世代のため早期に解決すべき課題について3つの提案をおこなっている。
 第1の課題は気候変動問題の解決。
 昨年のCOP26(国連気候変動枠組条約の第26回締約国会議)では、外交的には対立が深刻化している米国と中国が、2030年に向けた相互の協力を約束した。
 SGI会長は、日本がこれにならって中国と同様の合意を図ることを提案している。
 本年は1972年の日中国交正常化から50年の節目。じつは日中間では環境問題ですでに長年協力を重ねてきた実績がある。 続きを読む

第47回「SGI提言」を読む(上)――コロナ禍からの再建の焦点

ライター
青山樹人

通算40回目となった提言

 51カ国の創価学会の代表がグアムに集ってSGI(創価学会インタナショナル)が結成されたのは1975年1月26日。この日はのちに「SGIの日」と定められた。
 以来、SGIは仏法の生命尊厳の理念を基盤とする地球市民のネットワークとして発展し、今やこの「創価の連帯」は192カ国・地域に広がっている。
 冷戦下で第2回国連軍縮特別総会が開催された翌年(1983年)の1月26日、池田大作SGI会長は「平和と軍縮への新たな提言」と題する記念提言を発表した。
 以来、毎年の「SGIの日」に合わせて出されてきた記念提言では、核廃絶、環境、人道、教育、防災など人類共通の重要な課題がとりあげられてきた。
 そこに一貫しているのは常に具体的な方途の提案であり、市民社会とりわけ青年や女性の持つ力をエンパワーメントして国連を中心とした議論の場にはたらきかけ、民衆の意思と英知を可視化して人類の未来を切り開こうとするSGI会長の信念だ。 続きを読む