具体的提案で国を動かす公明党――「骨太方針」「ワクチン緊急提言」

ライター
松田 明

定額給付金が消費を刺激

 本来であれば東京オリンピック・パラリンピックの開会式を迎えていた7月24日。新型コロナウイルスのパンデミックは、いまだ衰える気配を見せない。
 米国では感染者数が400万人を突破。ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、7月16日、17日と、2日連続で1日の感染者数が7万人を超えていた。
 インドでも7月19日、1日の感染者数がはじめて4万人を突破。

 世界保健機関(WHO)は18日、世界の新型コロナウイルスの感染者が過去24時間で25万9848人増えたと発表した。1日当たりの新規感染者数としては過去最多を更新し、感染拡大を抑制できない状態が続いている。(「時事ドットコムニュース」7月20日

 世界全体はまだ予断を許さない状況にある。また、ここにきて国内でも感染者数が増えはじめている。
 こうしたなか、7月14日から政府による「家賃支援給付金」の申請受付がスタートした。売り上げの急減した事業者を対象に、資本金10億円未満の法人に最大で600万円。フリーランスを含む個人事業主に最大300万円を支給するもの。
 さらに公明党の主張で2020年度第2次補正予算に計上された「地方創生臨時交付金」も、各地方自治体の裁量で家賃支援に活用することができる。
 一方、公明党の山口代表が安倍首相を強く説得して実現した、1人10万円の「定額給付金」も、総務省によれば7月15日までに支給率が9割を超えた。
 7月19日の産経新聞は、

 新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた国内消費が、少しずつ力強さを取り戻しつつある。1人10万円の特別定額給付金や、在宅勤務を含む「巣ごもり」需要が牽引し、家電製品などは前年を上回る売れ行きをみせている。(「SANKEI NEWS」7月19日

「洗濯機や冷蔵庫、エアコンといった生活家電とテレビが売れている。給付金は5人家族だと50万円。影響はあるだろう」(同)

との、大手家電量販店担当者の安堵の声を報じた。

公明の声を反映した「骨太方針」

 一方、九州を中心とした記録的な豪雨で、各地に甚大な被害が出ている。
 7月11日に被災地を訪れた公明党の山口那津男代表は、国の防災減災緊急3カ年計画が今年度で終了することに触れ、来年度以降も含めた中長期的な対策をするよう政府に求めていた。
 これを受けて、政府が7月17日に臨時閣議で決定した「骨太方針」(「経済財政運営と改革の基本方針2020」)では、

 3か年緊急対策後も中長期的視点に立って具体的KPI(数値)目標を掲げ計画的に取り組むため、国土強靱化基本計画に基づき、必要・十分な予算を確保し、オールジャパンで対策を進め、国家百年の大計として、災害に屈しない国土づくりを進める。

と明記された。
 7月16日、赤羽一嘉国交大臣は福岡県大牟田市と久留米市を視察。被災状況を調査するとともに、両市長、小川洋県知事らから要望を聞いた。
 また、同じ日に開かれた参議院予算委員会の閉会中審査では、公明党の秋野公造議員が質問に立った。
 秋野議員は長崎大学医学部卒の医師で医学博士。厚生労働省勤務時代の2009年には、新型インフルエンザの大流行にともなって成田空港での防疫・感染拡大防止に従事。
 同年、新国際線ターミナルの開業を目前にしていた羽田空港内の検疫所支所長に就任し、検疫業務の陣頭指揮をした経歴を持つ。
 秋野議員は、ワクチン確保に向けて具体的な予算を含めた対応を政府に促した。
 これに対し、稲津久厚労副大臣(公明党)から、国内生産体制の整備、第2次補正予算で計上した2000億円に加え、「今後さらなる対応が必要な場合は、予備費の活用も含めて、対策を果断に進める」との答弁を引き出した。
 また、投与実績が少ない段階でワクチンを接種した場合、副反応による健康被害が生じる可能性に言及。国に対して救済制度の確立を求め、稲津副大臣から「検討する」との答弁を得た。
 さらに新型コロナウイルスの治療薬について、国の診療指針にまとめられているものの保険適用になっていないことを指摘。医療機関の負担を避けるために、国の責任として厚生労働科学研究費で対応することを求めた。
 これについても稲津副大臣からは、「必要な研究費を確保する」との明確な答弁があった。

ワクチンの確保と開発を促す

 この日の秋野議員の質問では、豪雨被災地での他県からのボランティア受け入れが、新型コロナウイルスの感染拡大によって困難になっている点も指摘された。

 公明党の秋野公造氏は「ボランティアから感染が起きてしまえば、動きが止まってしまう。事前にPCR検査を行い、陰性を確認したうえで受け入れてはどうか。検査費用の負担についてどう考えるか」と質問しました。
 これに対し、西村大臣は「ボランティアの受け入れにあたって、PCR検査を含めた、よりきめ細かい対応が必要ならば、関係省庁が連携して対応を検討するよう、私としては話をしていきたい。PCR検査の費用は地方創生臨時交付金が活用できる」と述べました。(「NHK NEWS WEB」7月16日

 7月20日、公明党の新型コロナウイルス感染症対策本部と同感染症ワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチームは、加藤勝信厚労大臣と稲津副大臣に、「ワクチン・治療薬確保に向けた緊急提言」を申し入れている。

 公明党のプロジェクトチーム(PT)は20日、新型コロナウイルスのワクチン確保に関する提言をまとめ、加藤勝信厚生労働相に提出した。政府がワクチンの調達時期などをまとめた計画を策定するよう求めた。(『日本経済新聞』7月21日・朝刊

 現在、オックスフォード大学と英国製薬大手アストラゼネカの共同開発ワクチンが実用化に向けて世界で最も先行している。公明党は提言のなかで、「わが国は交渉の進捗が遅れている」と指摘。ワクチン確保の時期、必要量、費用、先行接種対象の明確化を求めている。
 また、健康被害が出た場合の救済制度の創設、副反応についての情報収集のしくみ構築、既存薬を転用した治療の推進、質の高い定量による抗原・抗体検査の確立、平時から有事まで感染症対策の司令塔となる日本版CDC(疾病対策センター)の設置を求めた。
 なお、17日に開かれた公明党の合同会議に出席したアストラゼネカ日本法人の田中倫夫執行役員からは、前日の参院予算委での秋野議員の具体的かつ的確な質問と、稲津副大臣ら厚労省の前向きな答弁を評価する発言があった。
 アストラゼネカのパスカル・ソリオCEO(最高経営責任者)は20日、早ければワクチンが9月にも実用化される見通しを発表。日本へ1億回分の供給を目標にしていると述べ、供給時期は日本政府が緊急措置をとるかどうかにかかっていることを強調した。

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