宗教」カテゴリーアーカイブ

共同体が崩壊した日本にあって信仰に基づく連帯が持つ可能性――社会における宗教の役割・機能について

首都大学東京教授
宮台真司

日本人と宗教の関係

 まず社会学では、宗教をどのように捉えているかというところからお話ししましょう。
 マックス・ウェーバーの「エートス(行動様式)」あるいは、アメリカの宗教社会学者ロバート・N・ベラーが「心の習慣」と呼んだりしていますが、簡単には変えられない精神的な傾向について、それを形づくる非常に重要な要素として宗教を捉えています。もし日本人特有のエートスないし心の習慣があるとすれば、それは日本人と宗教の関係(宗教社会学的条件)を考えてみる必要があるのです。 続きを読む

「政教分離」の正しい理解なくしては、人権社会の成熟もない

弁護士
竹内重年

 信仰者や宗教団体が政治参加することは違憲ではないのかといった疑問を投げかける人がいまだにいるようだ。いわゆる「政教分離」問題である。世界では宗教的思想をもつ政党は一般的だ。ドイツでは宗教政党が国政で活躍し国民の理解を勝ち取っている。 続きを読む

仏『ル・モンド』の月刊誌がフランスの創価学会のルポを掲載――その意義と背景

フリーライター
前原政之

フランスの創価学会を正視眼で評価したルポ

『ル・モンド』といえば、フランスを代表するクオリティーペーパー(高級紙)であり、その報道姿勢は国際的にも評価が高い。
『ル・モンド』は、本紙(日刊)を補完する意味合いの月刊誌をいくつかもっている。そのうちの一つで、宗教をテーマとした月刊誌『Le Monde DES RELIGIONS』(ル・モンド・デ・レリジョン=宗教の世界)が、2011年9/10月合併号で、フランス創価運動体(聞きなれない表現だが、現地ではこう呼称する。以下「運動体」という)のルポルタージュをカラー6ページにわたって掲載した。 続きを読む