コラム」カテゴリーアーカイブ

〝国民〟不在の国民民主党――あまりに節操がなさすぎないか

ライター
松田 明

半年で政党を放り投げる

 昨年(2017年)9月末、解散総選挙の渦中にあっけなく〝空中分解〟し、袂を分かった民進党と希望の党が、「国民民主党」と看板を替えて再び新党を結成する。
 支持率の低迷に焦って分裂し、わずか半年で、今また支持率のさらなる低迷に焦って合流する。
 もはや国民の関心も期待も低く、ニュースでの扱いもわずか。皮肉なことに「国民党」と「民進党」という二大政党が睨み合う台湾では、「民進党」が「国民民主党」に衣替えしたことについて〝まるでブラックジョークだ〟というような反響が大きかった。 続きを読む

野党の国会放棄に批判高まる――政府を追及せず官僚叩きに終始

ライター
松田 明

「国会は審議するのが筋」

 野党の審議拒否による国会の空転という異常事態が続いている。
 重要法案の審議も山積み。朝鮮半島など日本を取り巻く世界情勢も、文字どおり歴史的な局面にある。
 だが、日本の国会では南北首脳会談の前日の4月26日も、外交を主なテーマとした衆参の予算委員会を立憲民主党など6党がボイコットした。 続きを読む

選択的夫婦別氏制度の早期導入を――夫婦が〝同姓同名〟になる可能性

ライター
松田 明

「選択的夫婦別氏」とは

 時代の変化のなかで、結婚すると夫婦が〝同姓同名〟になりかねないという問題が浮上してきている――。
 3月20日の衆議院法務委員会で、こんな注目すべき質疑がおこなわれた。
 質問に立ったのは公明党の國重徹議員。
 1996年に法制審議会から「導入」が提言されながら、いまだに法制化がなされていない「選択的夫婦別氏制度」と、旧姓の通称使用拡大についてである。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第6回 空手普及の功労者(下)船越義珍

ジャーナリスト
柳原滋雄

東京で空手普及に尽力

沖縄出身の富名腰義珍(ふなこし・ぎちん 1868-1957)は、「船越義珍」として空手界に広くその名を残している。
幼少時は虚弱体質で気弱な性格だったといわれるが、10代の初めに同級生の父親で首里手の大家だった安里安恒(あさと・あんこう 1828-1914)に師事して克服した。当時はまだ空手修行は夜陰に乗じて秘密裡に行われていた時代で、毎夜提灯をぶらさげて安里宅との夜道を行き来した。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第49回 アジア主義は再生するか

村上政彦

現在は、どのような時代か? ポスト・モダンといわれた時代は、とうに過ぎた。ある高名な批評家に質問したら、ポスト・ポスト・モダンと笑った。呼び名は誰かに任せよう。僕は、モダンを「文明の篩(ふるい)」にかけて、使えるものと使えないものを仕分けし、新しいモダニティーをつくる時代がきているとおもう。
そこで「文明の篩」に残るものを考えてみたい。リストの上位にくるのは、「アジア主義」である。アジア主義とは何か? 続きを読む