コラム」カテゴリーアーカイブ

退潮傾向に焦る日本共産党――40年も続く〝目標を達成できない〟空転

ライター
松田 明

10ヵ月連続で後退

 この7月15日、日本共産党は創立96周年を迎える。
 だがその日本共産党は、党勢の退潮傾向が止まらないことに焦りを隠せない。
 6月11日に東京・代々木の党本部で開催された第4回中央委員会総会(4中総)の総会決議では、2019年の統一地方選、参院選を前に、同党の厳しい現状と危機感が語られた。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第11回 沖縄独自の流派・上地流(上)

ジャーナリスト
柳原滋雄

 上地流は、沖縄3大流派(しょうりん流・剛柔流・上地流)の一角を占め、独特の存在感を持つ。3流派の中では比較的歴史が新しいが、戦後は米国を起点に世界へと広がった。
 歴史的にみても、小林流や剛柔流が日本本土に伝播し、現在の4大流派(松濤館・剛柔流・糸東流・和道流)の基礎を構成したのと比べると対照的な立ち位置だ。一例として、本土空手の主力組織といえる全日本空手道連盟において、上地流の型は指定型(空手の型試合で演武するときの対象型)に一切含まれていない。
 その意味でも、上地流は沖縄独自の流派といえる。 続きを読む

会期延長、不誠実なのは誰か?――かつて会期の撤廃すら主張していた人々

ライター
松田 明

国民生活に広く関わる法案

 6月20日、国会の会期を7月22日まで32日間延長することが決まった。
 今国会(通常国会)が20日に会期末を迎えたため、同日朝、自民党と公明党の幹事長らが国会内で協議し、衆参両議長に延長の申し入れをすることで合意した。
 今国会については、働き方改革関連法案やIR整備法案など、重要法案の成立という点ばかりに注目が集まりがちだ。
 だが、それ以外にも、水道管の老朽化対策を進める水道法改正案、成年後見制度の「欠格条項」を見直す法案、洋上風力発電の導入を促す法案、さらに受動喫煙を防ぐための健康増進法改正案など、国民生活に広く関わる重要な法案がめじろ押しだ。 続きを読む

書評『僕たちはファッションの力で世界を変える』――イノウエ・ブラザーズの挑戦

ライター
本房 歩

「神々の繊維」

 2000年代に入って注目されるようになった「ソーシャル・デザイン」。不公正や不条理、社会問題をクリエイティヴな発想によって解決していこうという取り組みは、今や世界的な潮流になりつつある。
 それは、ソーシャル・ネットワークの普及によって、これまでにない形で人々がフラットにつながり、多様な情報が共有される時代がはじまったことと軌を一にしている。
 井上聡・清史の兄弟がアートスタジオ「ザ・イノウエ・ブラザーズ」を設立したのは2004年。07年から、南米アンデスの先住民と協働してアルパカの毛を使ったニット製品を作りはじめた。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第10回 戦後沖縄空手界を支えた重鎮たち

ジャーナリスト
柳原滋雄

戦後沖縄空手界を支えた4人の巨星

 文献資料の乏しい空手の歴史にありながら、19世紀以降、著名な武人が集中して出生した時期がいくつか見受けられる。
 例えば、松村宗棍(1809年生まれ)、照屋規箴(同)、多和田真睦(1814年生まれ)を仮に第1グループと位置づければ、第2グループとして、親泊興寛(1827年生まれ)、安里安恒(1828年生まれ)、松茂良興作(1829年生まれ)、糸洲安恒(1831年生まれ)の一群が挙げられる。いずれも沖縄空手の草創期に名を連ねた武人にほかならない。 続きを読む