太宰治に『おしゃれ童子』という短篇小説がある。ファッションへの強い執着を持った少年が主人公で、太宰の作品らしい甘い自己愛が描かれている。まだ小学生の主人公が、上着の袖から覗く白いフランネルのシャツが、眩しいくらいに真っ白でなくてはならない、とこだわるところを憶えているのは、実は、僕自身がそういう子供だったからだ。 続きを読む
ここでいきなり問題です。僕が生まれて初めて原稿料をもらった仕事は、さて、何でしょう? え? そんなことどうでもいい? 僕にあまり関心がない? (泣きながら)答えは、某新聞の書評です。
あれは確か20代の後半だった。ヘミングウェイとトム・ウルフを担当した名編集者の評伝だったとおもう。知り合った記者が、僕が小説家を志していると分かって、書評をやらないか、と声をかけてくれたのだ。 続きを読む
あるとき、僕の小説の特徴のひとつは奇想だと批評家にいわれた。それは本人も自覚していたところなので、なぜそうなったのか考え、子供のころ漫画を読み漁ったとおもいあたった。
漫画には奇想があふれている。アイデアが陳腐であれば読者が満足しない。漫画家は懸命にオリジナルなアイデアを求め、それは奇想のおもむきとなる。僕はそういう漫画を日常的に読み、いつか奇想を思いつくようになった。 続きを読む
ちょうど1年前の2015年9月。
当時の民主党が共産党やSEALDsなどと一緒になって「廃案」を叫んでいた平和安全法制が成立した。
野党は「戦争法」だと国民の不安を煽り立ててきたのだが、この法案成立直後に朴槿惠(パククネ)・韓国大統領、習近平・中国国家主席は、連立与党の党首である山口那津男・公明党代表を笑顔で迎えた。11月1日には、ソウルで日中韓3ヵ国首脳会談が開催された。 続きを読む