投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

小池知事と都議会公明党(下)――識者が期待する知事と公明の連携

ライター
松田 明

自民・民進・共産の限界

 6月1日、小池都知事は自民党に離党届を出し、自ら率いる地域政党「都民ファーストの会」の代表に就任した。
 自民党東京都連の下村会長は、小池知事と自民党都連との対決姿勢を鮮明にした。
 ともあれ、これで有権者にとって、小池都知事に対する都議会の各会派の立ち位置が明確になった感がある。 続きを読む

小池知事と都議会公明党(上)――今回の都議選で何が決まるのか?

ライター
松田 明

「是々非々」と「協調」

 いよいよ注目の東京都議会議員選挙まで1ヵ月となった。
 都政には教育、医療福祉、防災減災、暮らしの安全など、都民の暮らしにかかわるさまざまな課題があり、〝争点〟を面白おかしく特定の問題に際立たせるべきではない。
 ただ、今回の選挙で結果的に何が決まるのかと言えば、ズバリ「小池知事の改革が進むのか否か」ということになるだろう。 続きを読む

日本共産党と北朝鮮の〝黒歴史〟――「北朝鮮にリアルの危険ない」の背景

ライター
松田 明

サミット首脳宣言に明記

 5月26日、27日とイタリアで開かれた「G7タオルミーナ・サミット」では、初日の午後からのセッションで北朝鮮問題が協議され、閉幕にあたっての首脳宣言でも、

 北朝鮮は国際的課題の最優先事項であり、国際の平和と安定に対する重大な性質を有する新たな段階の脅威。(外務省HP)

と明記された。
 現下の北朝鮮情勢がはらむ危機の深刻さは、日米のみならず、G7サミットが「国際的課題の最優先事項」「重大な性質を有する新たな段階の脅威」と宣言する状態にある。 続きを読む

人間の罪深さと、それ以上の美しさと。――映画『光をくれた人』

ライター
倉木健人

流れ着いた1艘のボート

 オーストラリアの西の果てに浮かぶ絶海の孤島。そこはインド洋と南極海がぶつかる海の難所で、島には航路を照らす灯台だけがある――。
 原作となったM.L.ステッドマンの小説『海を照らす光』(ハヤカワepi文庫/原題『The Light Between Oceans』)は、2012年に米国で出版されるや40以上の言語に翻訳され、世界中でベストセラーとなった。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第30回 岩波文庫について②

作家
村上政彦

 大江健三郎さんの小説を読むようになったのは10代のころだった。同時代の小説家として、世界文学の動向を視野に入れ、新しい文学をつくろうとしている態度に共感し、新作が発表されるたびに注目してきた。
 お会いしたことはないが、僕が続けて芥川賞の候補になっていたとき、選考委員をなさっていたので、作品を読んでもらうことになった。確か4回目に落選したときの選評で、「村上政彦は実力を示してきた」と評され、複雑な思いを 抱いたおぼえがある。 続きを読む