このところ、なんだかローカル=地方がおもしろいことになっているようだ。かつては、クリエイティブな若者たちは東京をめざしたものだが、いまやそうではない。あちこちの地方に根差して仕事をする人々が増えているのだ。
そのプレーヤーの1人が藤本智士(さとし)である。若いといっても40代なかば。この分野の先駆者といえる。兵庫県西宮市に住んで、編集者として活動している。『魔法をかける編集』は、彼の仕事振りをトレースした本だ。
2006年に『Re:S(りす)』という雑誌を立ち上げた。これはRe:Standard=「あたらしい〝ふつう〟を提案する」というのがコンセプト。全国誌だけれど、編集部は大阪にあった。「東京では売れない雑誌」をめざして、全国の〝田舎〟に向けて発信する。
このあたりから、すでにおもしろそうではないか。 続きを読む
