壮大な空想の戦闘記
古代インドで成立した「マハーバーラタ」は、10万余の対句から構成され、世界最大の叙事詩と言われている。
古代ギリシャの「イーリアス」「オデュッセイア」と共に〝世界三大叙事詩〟と称えられ、インドにおいては「ラーマーヤナ」と並ぶ二大叙事詩とされてきた。
物語は、パーンドゥ家とクル家の王子たちによるバーラタ王朝内の争いを軸に、数多くの人物の性格描写や事件の記述を通じて、人間の強さと弱さ、高貴さと卑劣さ、美しさと醜さなど、人間にまつわる古くて新しい普遍的なテーマを展開させている。(第三文明選書『マハーバーラタ(上)』訳者まえがき)
ストーリーの概要を書くだけでも何千字も費やしそうな大長編だ。とくに中盤から始まる大戦争の描写は、昔も今も人々の想像力をかき立て、強い衝撃を与えてきた。 続きを読む