人が便利さを求めるようになったのは、いつごろからだろう。考古学が教えるところでは、まず、人は石器を手にし、ついで青銅器を持ち、やがて鉄器を使うようになった。これは、より便利な道具を求めるようになったと考えられる。
しかしもっと遡ると、人が両手を自由に使うようになったのは、やはり、便利さを求めてのことだったろうから、人類は発生してから間もなく、本能的に便利さを追い求めてきたといってもいいのではないか。
すると、「不便益」というアイデアは、実は、かなり壮大な転換の兆しなのかもしれない。 続きを読む
