僕が山下清のことを知ったのは、TVのドラマが最初だった。確か、『裸の大将放浪記』というタイトルだったとおもう(間違っていたらごめんなさい)。軽度の知的な障害を持った主人公が全国を放浪しながら、地元の人々と温かな交流を重ねる様子を描いた番組だった。
主人公が、画家の山下清であるところがポイントで、坊主頭の、半ズボンにランニングを着たみすぼらしい男が、著名な芸術家であることが分かると、水戸黄門が印籠を出したときのように、人々の態度が一変する趣向だった。
その後、僕は山下清の作品を何度か見て、感心した覚えがある。ジャン・デビュッフェがアール・ブリュットという概念を提出し、精神的な障害を持った人々、アカデミックな美術教育を受けたことのない人々の作品が注目されるようになった。 続きを読む
