僕の作家生活が始まったのは、郷里の実家の近くにある鈴木書房だった。まずはそこに通い詰めて漫画少年になった。僕が物心ついたころは、創刊したばかりの週刊漫画雑誌が熱かった。いつも読んでいるものに、『少年マガジン』、『少年サンデー』、『少年ジャンプ』、『少年チャンピオン』、『少年キング』があった。
いま残っているのは、『少年マガジン』、『少年サンデー』、『少年ジャンプ』、『少年チャンピオン』。『少年キング』はちょっと刺激が少なかったが、そのうち休刊になった。月間漫画雑誌で読んでいたのは、『ぼくら』と『冒険王』。これも休刊になった。
僕がこのような漫画雑誌を読んでいたころ、平棚で異質な漫画雑誌を見つけた。僕がいつも読んでいるマガジンやサンデーとは、表紙からして違う。全体に暗い。雑誌の名は、『ガロ』とあった。好奇心の旺盛な僕は、手に取って読んでみた。 続きを読む
