社会」カテゴリーアーカイブ

東京発の「ヘルプカード」で育む「心のバリアフリー」

特定非営利活動法人「虹色の風」代表理事
平山淳子

 人工関節や義足、自閉症や内部障害、難病など、外見からはわからない障害を示す「ヘルプカード」の推進が東京都から始まった。

自閉症の息子に光を当てた公明党の都議

 私には、生まれつき自閉症の障害がある息子がいます。大きな声や音を聞くとパニック状態になってしまったり、耳に入る音を自分で加減するために両耳を自分の手でふさいだりと、自閉症の子が示す動きはさまざまです。 続きを読む

「反戦出版」書評シリーズ② 『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』

ジャーナリスト
柳原滋雄

被爆体験を継承するための重要な一書

 2015年に新たに上梓された『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』は、前年に出版された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』につづく長崎編と呼べるものだ。
『ヒロシマ』は表題のとおり、男性のみによる証言集だったのに対し、長崎編には男性・女性の体験から成っている。 続きを読む

「反戦出版」書評シリーズ① 『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』

ジャーナリスト
柳原滋雄

直接体験をもつ最後の世代が沈黙を破る

 全80巻の反戦出版シリーズ(1974~85年に刊行)で知られる創価学会が近年、新たな平和出版活動を重ねている。以前の反戦シリーズは、同青年部がまとめたもので〝戦争を知らない世代へ〟が副題となっていた。
 2014年に新たに上梓された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』(第三文明社刊)は、表題のとおり、男性による証言集だ。 続きを読む

養殖サーモンで描く「食」の成長戦略

弘前大学食料科学研究所所長
嵯峨直恆

青森発の養殖サーモンで100億円市場目指す


 2014年12月、弘前大学・食料科学研究所と青森のオカムラ食品工業、深浦町(青森県西津軽郡)は、サーモンを養殖して売り出すための連携協定を結びました。オカムラ食品工業はすでにドナルドソントラウト(大型のニジマス、いわゆる「海峡サーモン」)の稚魚を育て始めています。 続きを読む

不確実な時代の「うわさ」と個人の関係を考える

中央大学教授
松田美佐

 人々はなぜ「うわさ」を好み広げるのか。「うわさ」は私たちの暮らしに、どのような影響をもたらすか。人間や社会を「うわさ」から読み解く。

「うわさ」は最も古いメディア

 もともと大学で社会心理学を学んでいた私は、メディアの仕組みや人間のコミュニケーションに興味があり、自然と「うわさ」の持つ特性に関心を抱くようになっていました。
 人間が手にした「最も古いメディア」と呼ばれるうわさは、新聞やテレビが普及しようとも、携帯電話やインターネットが世界中で利用される時代が訪れても、いまだに廃れることなく存在し続けています。 続きを読む