この『ポバティー・サファリ』のテーマは、一言でいうなら「貧困(ポバティー)について」だろう。序文を書いているブレディみかこはいう。
「ポバティー・サファリ」とは、サファリで野生動物を見て回るように貧困者を安全な距離からしばらく眺めたあと、やがて窓を閉じてしまうことだ
著者のダレン・マクガーヴェイは、そんな「サファリ」出身の若者だ。スコットランドの公共住宅――貧困層が暮らす真っ只中で生まれ育った。
母は、少女のころにレイプされ、そのトラウマが酒とドラッグを求めた。息子が言うことを聞かないと、ナイフを振りかざして殺そうとする。まっとうな子育てができない。ダレンは学校で虐められるが、母親の暴力に比べれば、そんなものはなんでもなかった。 続きを読む





