インド映画『ガンジスに還る』監督インタビュー

映画監督
シュバシシュ・ブティアニ

 10月27日より岩波ホールなどで上映が始まったインド映画『ガンジスに還る』(英題:HOTEL SALVATION/2016年/インド)。ガンジス河畔に広がるヒンズー教の聖地バラナシを舞台にした、生死をめぐる家族の物語が好評を博している(映画評リンク
 この映画の監督・脚本を務めたシュバシシュ・ブティアニは、インド・コルカタ出身。27歳(撮影時は25歳)の若手監督だ。どうしてバラナシを舞台に選んだのか。なぜ家族や〝生死〟をテーマにしたのか――。新進気鋭の若き監督に話を聞いた。(フリーライター 藤澤 正)
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沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第20回 しょうりん流④ 喜屋武朝徳の系譜 少林流

ジャーナリスト
柳原滋雄

知花系統と並ぶ首里手の流れ

昭和戦前期の沖縄空手の指導者たち。前列左端が喜屋武朝徳(1937年)

昭和戦前期の沖縄空手の指導者たち。前列左端が喜屋武朝徳(1937年)

 松村宗棍(まつむら・そうこん 1809-99)に師事した喜屋武朝徳(きゃん・ちょうとく 1869-1945)の系譜を組む流派で、「少」ない林と書く。
 首里手の流れながら、同じ松村の弟子であった糸洲安恒(いとす・あんこう 1831-1915)から知花朝信(ちばな・ちょうしん 1885-1969)につづく「小林流」と、かなり色合いを異にする。パッサイやクーサンクーなど同じ型名称であっても、演武線などがかなり異なるためだ。 続きを読む

「江戸しぐさ」と「親学」――オカルト化する日本の教育

歴史研究家/偽史・偽書専門家
原田 実

親学で発達障害が治る?

 このところ、教育関係の話題に「親学」というキーワードが散見されます。親学の中核にあるのは、「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長の高橋史朗氏(麗澤大学大学院特任教授)の思想です。高橋氏は、科学の名や伝統の名を借りて自身の思想を権威付け、一般論として受け入れやすい形にしています。しかし、その〝科学〟や〝伝統〟は、実のところニセ科学であったり、偽史であったりするのです。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第61回 横尾忠則の世界②

作家
村上政彦

僕は本を読むのが好きだ。おもに人文系だが、美術書も読む。必要に応じて理系の本も読む。結局、本であれば、どのような本でもいい。でも、一つ二つ、ジャンルを絞るように促されたら、絶対に入るのが書評集だ。
書評集は、僕のような気の多い人間には向いている。何しろたくさんの本を扱って、そのエッセンスを抜き出して伝えてくれる。本好きにとって、これほどありがたいものはない。 続きを読む

「日中」新時代の開幕(下)——信義を貫いた民間交流

ライター
松田 明

周恩来首相の強い願い

日中平和友好条約締結40周年 記念式典(北京人民大会堂)を報じる聖教ニュース9月27日付

日中平和友好条約締結40周年記念式典(北京・人民大会堂)を報じる聖教ニュース9月27日付

 10月25日の夕刻。北京の人民大会堂で「日中平和友好条約締結40周年」記念式典(主催=中国人民対外友好協会、中日友好協会)が盛大に開催された。(聖教ニュース10月27日付
 中国側からは李克強首相、王毅外交部長(外相)、唐家璇中日友好協会会長らが出席。日本側からは安倍晋三首相ほか政財界関係者、日中友好に尽力してきた諸団体関係者らが出席した。
 式典に先立って、両首相を中心に、平和友好条約の締結にかかわった人々やその家族が記念撮影。人民対外友好協会の李小林会長、程永華駐日大使、公明党の北側一雄副代表、創価学会の池田博正主任副会長らが写真に収まった。 続きを読む