【書評】佐藤優著『21世紀の宗教改革――小説『人間革命』を読む』

ライター
本房 歩

 この数年、著者の佐藤優は精力的に創価学会や公明党に関する著述に取り組んでいる。それらのなかで、とくに2つのことを強調している。
 1つは、公明党がこれまでとは異なり、税制や外交、安全保障政策といった国の中枢にかかわる意思決定権者に加わったこと。
 もう1つは、日本で誕生した創価学会が本格的に「世界宗教化」していること。
 本書『21世紀の宗教改革――小説『人間革命』を読む』を読むと、この現在進行形の2つの出来事が、あたかもコインの裏表のような関係にあるということがよくわかる。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第24回 沖縄県空手振興課長インタビュー(下)

ジャーナリスト
柳原滋雄

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第1回沖縄空手国際大会の教訓

――8月の国際大会は多くの教訓を残した大会だったと思います。どのように総括しておられますか。

山川哲男課長 私たちは今年8月の大会は、過去の大会と比べても成功したと思っています。世界50の国と地域から延べ3200人の空手家が集まったのは画期的でした。空手の先生方から言わせると、今回の大会のよさがSNSなどで広がったので、次の大会は1.5倍から2倍の参加者があると予測しています。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第64回 日本の小さな本屋さん

作家
村上政彦

僕が文学と出会ったのは、近所の小さな本屋さんだった。このコラムでも何度か書いている気がする。成長して街場へ出掛けるようになったとき、大型書店へ出入りするようになった。
最初、友人と一緒に出掛けたのだが、彼がそれほどの本好きではないかことが災いして、すぐに帰ろうと言い出す。僕は宝の山へ踏み入ったトレジャーハンターのようになっているので、何を言っているのだという気持ちになる。で、結局、彼は怒って帰ってしまった。 続きを読む

共感広がる池田・エスキベル共同声明

ライター
青山樹人

不屈の平和運動の闘士

 池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長と、ノーベル平和賞受賞者であるアドルフォ・ペレス・エスキベル博士の「共同声明」が、世界に共感を広げている。
 エスキベル博士は独裁政権下の祖国アルゼンチンをはじめ、軒並み軍事政権が誕生していた1970年代の南米で、人権団体「平和と正義のための奉仕」を創立。非暴力による人権擁護運動に身を挺した。その結果、77年にはアルゼンチン当局に逮捕され、14カ月間にわたって拘束と拷問を受けた。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第23回 沖縄県空手振興課長インタビュー(上)

ジャーナリスト
柳原滋雄

 沖縄県庁に空手に特化した専門課が設けられたのは2016年4月。沖縄の特色ある文化の中で、一つの武術に着目した課の設置には注目が集まった。例えば青森県庁にも、りんご果樹課というその土地でしか見出せない専門課が存在するが、そうした中にあって、文化力の発信をめざす沖縄県の取り組みはかなりユニークだ。「空手振興課」の初代課長として尽力してきた山川哲男課長(53)に、これまでの歩みと今後の展望を聞いた。 続きを読む