コラム」カテゴリーアーカイブ

「公明党衆院選重点政策」第2弾――日本経済の再生

ライター
松田 明

接種加速で見えてきた光

 政府が1日100万回以上のワクチン接種を強力に推進してきた結果、国内の接種者は飛躍的に増加。2回接種を終えた割合は先行していた米国を抜き、1回以上接種した人の割合も、世界でもっとも早く接種を開始した英国に並んだ。(9月30日時点)
 予備費を活用したワクチン確保への道筋を開いたのは公明党だった。全国の自治体での接種にあたっても、ワクチンの融通や効率的な接種など、国会議員と最前線の地方議員が綿密に連携する公明党のネットワークが奏功している。
 ワクチン接種が大きく進んだことで、あの激烈だった第5波の感染も収束に向かい、緊急事態宣言は9月30日で解除された。 続きを読む

「公明党衆院選重点政策」第1弾――子育て・教育を国家戦略に

ライター
松田 明

政府を動かす公明党の政策

 次期衆院選に向けて、連立与党の公明党が党としての「重点政策」を発表した(10月1日)。
 10月4日の首班指名を受けて岸田政権を出発させるにあたり、自民党は公明党と「自公連立政権合意」を新たに締結。
 この「重点政策」は新たな連立政権のもとにあって、公明党として実現を目指すもの。
 たとえば2020年に菅義偉内閣が発足した際も、公明党は政策合意の条項に「持続可能で強靭な脱炭素社会」を盛り込んだ。
 それまで菅氏自身は脱炭素社会にとくに関心のあった形跡がないが、この公明党の政策を受け入れて、所信表明演説では2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを発表。「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を目指すことを宣言した。
 これは従来の自民党の政策を考えると画期的なものであり、公明党の政策が日本政府の方針に大きな影響を与えた直近の一例である。 続きを読む

芥川賞を読む 第10回 『寂寥郊野』𠮷目木晴彦

文筆家
水上修一

認知症や国際結婚など、大きな問題を描いた名作

𠮷目木(よしめき)晴彦著/第109回芥川賞受賞作(1993年上半期)

芥川賞らしからぬ大きな物語

 第109回芥川賞を受賞したのは、𠮷目木晴彦の「寂寥郊野」(せきりょうこうや)だった。当時36歳。『群像』(1993年1月号)に掲載された180枚の作品だ。
 賛否両論、意見が分かれることも多い芥川賞選考会だが、選評を読んでみるとほぼ満場一致での授賞決定だったようだ。𠮷目木はすでに別作品で「第10回 野間文芸新人賞」や「第19回 平林たい子文学賞」を受賞している実力者だから、その安定感は抜群だったのだろう。 続きを読む

「平和安全法制」から6年――「戦争法」と騒ぎ立てた人々

ライター
松田 明

昭和47年の「政府見解」

 平和安全法制関連2法(以下「平和安全法制」)が公布されて、この9月30日で6年が経つ(2015年9月30日公布)。
 当時、北朝鮮による核開発のエスカレート、中国の海洋進出など、東アジアの国際情勢は緊迫していた。
 日本がまだ民主党政権下にあった2012年8月、すでに米国は「第3次アーミテイジ・ナイ・レポート」で、第1次、第2次に重ねて、日本の集団的自衛権行使の禁止が日米同盟の深化の構築の妨げになっていると警告していた。
 冷戦構造はその20年以上前に終わっており、米国や英国は日本に対し、国際社会の枠組みに合わせて、いわゆる〝フルスペックの集団的自衛権〟を容認するよう求めてきたのだった。 続きを読む

暴力革命方針に変更なし——民主党時代も調査対象

ライター
松田 明

※写真は、民主党政権時代の枝野官房長官(当時)

知れ渡った「敵の出方論」

 日本共産党の志位委員長は、9月8日の第3回中央委員会総会で、同党のいわゆる「敵の出方論」について、

 この表現は使わないことを、中央委員会総会の決定としても、明確にしておきたいと思います。(『しんぶん赤旗』9月9日

と述べた。方針を撤廃するのではなく、あくまで〝表現は使わない〟らしい。
 最近にわかに注目を浴びている、日本共産党の「敵の出方論」とは何か。
 日本共産党は1951年の第5回全国協議会で「武装闘争」方針を決定。翌52年、札幌で警官を射殺した「白鳥事件」、皇居前広場で群衆が暴徒化した「血のメーデー事件」、名古屋で火炎瓶を持った数百人が暴徒化した「大須事件」などを引き起こした。
 この一連の凶悪事件をうけて、同じ年につくられたのが「破壊活動防止法(破防法)」であり、公安調査庁なのだ。 続きを読む