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連載エッセー「本の楽園」 第15回 本をつうじて見える20世紀の姿

作家
村上 政彦

 近年になって、だんだん街の小さな書店が減ってきている。多くの在庫を誇る大型書店を探索する愉しみも捨てがたいが、散歩がてら立ち寄ることのできる小さな書店が消えてゆくのはさみしい。
 この本の著者・長田弘氏も同じ気持ちだったのではないかとおもう。表題を『私の二十世紀書店』(※リンク先は1999年発売の『定本 私の二十世紀書店』)としたのは、

「私がこれらの本に出会った場所が街の書店においてだったからだ。本の自由というのは、自由な開かれた書店が街にあるということである」

という。この本には、街の書店への愛惜がこめられている。 続きを読む

大切な憲法で守られる私たちの自由と人権

学習院大学教授
青井未帆

浮ついた願望としての憲法改正論

 自民党から憲法改正草案が発表されましたが、これは願望の寄せ集めにすぎないものです。「憲法を改正したい」という願望のみで、内実の伴う草案ではありません。草案と銘打つに値しない粗雑な内容のものです。
 大きな政治的決定を国民全体で真剣に論議することなく、なし崩し的に変えてきてしまったことが、これまでもありました。憲法は、そういう扱いではまずいのです。 続きを読む