IAEAがまとめた報告書
4月29日、IAEA(国際原子力機関)は、東京電力福島第一原子力発電所が2023年に海洋放出を計画している「ALPS処理水」について、調査チームによる第1回の報告書をまとめた。
福島第一原発では、原子炉内に事故で溶けて固まった燃料デブリが残っており、水をかけて冷却が続けられている。
燃料デブリに触れた水は高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」になる。
そこで、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」など、いくつかの除去設備を使用して浄化処理をおこなって、セシウム、ストロンチウムをはじめ大部分の放射性物質を取り除いている。
こうしてできたものを「ALPS処理水」と呼ぶが、トリチウムだけは取り除けない。
じつは、トリチウムは水素の仲間(同位体)であり、雨水や河川の水など自然界にも存在するものだ。 続きを読む