頭がいい、といわれてうれしくない人はいないだろう。けれど、頭のよさとは何か? と考え始めると、よく分からなくなる。
僕には、「3バカ」が社会を悪くするという自説がある。
まず、IQバカ。これは、いわゆるお勉強がよくできて、高学歴なのだが、世間の常識にうとかったり、人の心が分からなかったりするバカだ。次に、筋肉バカ。腕力だけが自慢で、物事をあまり考えないバカのこと。そして、権力バカ。権力を持ったとたんに、自分が偉くなったと勘違いして、あちこちに迷惑をかけるバカである。
この3バカは、頭がいいとはおもえない。和田秀樹さんが、IQバカのことを「高学歴バカ」と呼んでいるのを読んで、僕は自説に力を得た。和田秀樹さんと中野信子さんが、『頭のよさとは何か』という本を出した。「高学歴バカ」は、その本に出てくる。
僕は、高校を2度も中退し、いろいろあって大学へ入り、在学中に新人賞をもらって、小説家としてデビューしたので、大学はそのままになった。恐らく、授業料未納で除籍となっているから、正式な学歴は高校中退だ。
こういう人間が「高学歴バカ」なんていうと、ひがみだとおもわれるが、和田さんは、灘中・高を経て、東大理Ⅲに入った高学歴の持ち主だから、素直に聴けるだろう。ちなみに、中野さんも東大出身だ。東大出身のふたりが、頭のよさとは何かについて語り、「高学歴バカ」なんていっているのだから、読まないわけにいかない。 続きを読む
