連載エッセー「本の楽園」 第2回 ブームのその後 ラテンアメリカ文学最新事情

作家
村上政彦

 僕とラテンアメリカ文学の出会いを順序立てて語ると、世界文学と日本文学の在り方を交えた長い話になるので、読者を退屈させるわけにもいかないから、要所だけをしるすことにする。

 20歳前後の頃のことだ。ふらっと入った古書店で何気なく手にした小説が、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』(1967)だった。これはおもしろかった。 続きを読む

巨匠マファルバフが描く〝平和への寓話〟――映画『独裁者と小さな孫』

ライター
倉木健人

「アラブの春」で脚本を練る

 モフセン・マファルバフ監督はイラン出身。これまで各地の国際映画祭で50以上もの賞を受賞し、なかでもタリバン政権下のアフガニスタンを描いた「カンダハール」(2001年)はカンヌ国際映画祭エキュメニック賞に輝き、タイム誌が選ぶ歴代映画ベスト100にも選出された。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第1回 ショーペンハウエルの読書の腕前

作家
村上政彦

 石川淳がエッセーで書いているのだけれど、かつて中国の文人・黄山谷が、士大夫(知識階級)は3日読書をしないと、顔が醜くなり、言葉にも味わいがなくなると言っているらしい。 続きを読む

キリスト教徒と僧侶による、歯に衣着せぬ対談――書評『創価学会を語る』

ライター
松田 明

世界で伸長する創価学会

 この国では「宗教」がきちんと議論されることがない。それは、社会が成熟によってデリケートなことがらをスルーしているからではなく、宗教や信仰について真摯に考えるだけの成熟にいまだ至っていないからである。 続きを読む