野党の手法は「ファシズムの土壌」
先ごろ『ぶっちゃけ、誰が国を動かしているのか教えてください 17歳からの民主主義とメディアの授業』(日本実業出版社)という本が出た。
著者である東京工業大学の西田亮介准教授は、若者の投票率が低い背景を、若者にとってコストはかかるものの短期的なベネフィットが感じられないことだと指摘している(『第三文明』8月号)。
政治に関心を持ち、各党各候補の政策や能力を吟味し、時間を割いて投票所に足を運ぶという「コスト」に対し、自分の1票が社会を変える実感という「ベネフィット」が見えづらいのだ。
投票に行かない若い人々への政党のアプローチについては、与党がコストをかけ続けているのに対し、野党はこれといった施策が見えてきません。利益団体政治を悪魔化して「市民のために」といった抽象的な言葉で有権者に呼び掛ける手法は、昔からファシズムの土壌だと言われており、私も危ういと思います。(『第三文明』8月号)





