ネットワーク政党の強み――高まる公明党への期待

ライター
松田 明

市町村議員数トップは公明党

 政治というと、ともすれば「国政」ばかりにメディアの焦点が当たりがちだが、議員の数で見れば「地方政治」のほうが大きい。
 なにより、国民1人1人の声や個別の地域の声を政治に反映させ、国政を地域・地方から下支えするという民主主義のあるべき姿から見ても、「地方政治」はきわめて重要なのである。
 そして、こうした「国」と「地方」の全体の視野で政党の力量を見ると、単なる国会での議席数とは違った姿が見えてくる。 続きを読む

またしても始まった「野合」――野党の醜い主導権争い

ライター
松田 明

主導権と政党交付金

 統一地方選挙と参議院選挙が重なる12年に一度の「亥年」。早くも浮足立っているのが、支持率の低迷から抜け出せない野党である。
 1月22日には国民民主党の玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表が会談し、両党を合流させることで一致。
 24日には〝将来的な党の合流〟を前提に衆参で統一会派を結成した。
 結党以来、支持率が1パーセント前後のままの国民民主党にとっては、自由党と合流することで参議院会派が27人となり、立憲民主党の25人を抜いて国会運営の主導権を握れる算段があった。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第28回 極真から沖縄空手に魅せられた人びと(下)「石本誠」

ジャーナリスト
柳原滋雄

 極真空手がブームとなった背景として、1971年に連載が始まった劇画「空手バカ一代」の存在を抜きには語れない。この中で準主役の一人として描かれて名を知られるようになった人物に、80年に四国・松山で芦原会館を設立した芦原英幸・初代館長(あしはら・ひでゆき 1944-1995)がいる。相手の攻撃を受け流し側面や背後から反撃する「サバキ」技術を体系化した〝伝説の空手家〟として知られる。今回は芦原会館の内弟子経験を持ち、その後、沖縄空手や合気道を取り入れた沖縄空手道松林流喜舎場塾・英心會館の石本誠館長(いしもと・まこと 1964-)に迫る。 続きを読む

沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流
第27回 極真から沖縄空手に魅せられた人びと(中)「高久昌義」

ジャーナリスト
柳原滋雄

 極真空手の旧城南支部(廣重毅支部長=当時)といえば、「チャンピオン製造工場」として城西支部と競い合った時代をもつ名門支部として有名。栃木県出身で高校卒業と同時に城南の門を叩き、数見肇選手ら同年代の中で頭角を現し、97年全世界ウェイト制大会でチャンピオンに。現役引退後は極真会館(松井派)支部長として活躍し、2014年12月、沖縄空手や中国拳法の理念を取り入れた新組織「錬空武館」(HP)を設立した。ことしで6年目に入る高久昌義館長(たかく・まさよし 1971-)に聞いた。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第67回 コーネルの箱

作家
村上政彦

本屋をパトロールしていたら、柴田元幸さんの翻訳した本が眼に留まった。何だか、つい最近も同じことがあったなとおもいながら、手に取った。『コーネルの箱』。ジョゼフ・コーネルというアーティストの作品について、詩人のチャールズ・シミックが書いた本らしい。
柴田さんが翻訳しているのだからおもしろいのだろうが、こちらにも予算というものがあって、すべて買うわけにはいかない。ぱらぱら捲っていたら、マルセル・デュシャンと交流があった、という記述を見て、すぐレジへ持って行った。 続きを読む