一次資料にない鷹峯の伝承
京都国立博物館で開催されていた「琳派 京を彩る」展に足を運んできた。
2015年は〝琳派400年〟ということで、各所で琳派に関する展覧会などが相次いだ。本阿弥光悦が1615年(元和元年)に徳川家康から京都の鷹峯(たかがみね)に土地を拝領し、そこに芸術村を開いたのが琳派の誕生とされているからだ。 続きを読む
京都国立博物館で開催されていた「琳派 京を彩る」展に足を運んできた。
2015年は〝琳派400年〟ということで、各所で琳派に関する展覧会などが相次いだ。本阿弥光悦が1615年(元和元年)に徳川家康から京都の鷹峯(たかがみね)に土地を拝領し、そこに芸術村を開いたのが琳派の誕生とされているからだ。 続きを読む
26歳の時、初めての一人旅でニューヨークを訪れた。念願だったメトロポリタン美術館にもでかけ、古代エジプトから始まる壮大な人類の美術史を半日がかりで堪能した。
しかし足が棒になるほど眺めた膨大な展示作品の中で、私が心打たれてしばし身動きできなかったのは、自分でも意外だったのだが、同館が所有する尾形光琳作「八橋図屏風」だった。 続きを読む
私たちは3時間近くも砂漠の真ん中で取り残されていた。外気温はマイナス20度。周囲は見渡すかぎり荒涼とした岩砂漠が続く「ゴビ灘」である。
2014年12月下旬、2人の青年と一緒に2週間をかけて中国を旅した。北京から西安、さらに甘南チベット自治州夏河県、蘭州、敦煌と奥地に入っていく。西安を発つ未明にひどい風邪をこじらせ、その身体で標高3200メートルの夏河に入り、長距離バスで蘭州に下り、夜行列車で極寒の敦煌に至るという過酷な日々だった。 続きを読む
「芸能の報道化」と「報道の芸能化」――。このことを、ずいぶん以前から指摘されていた社会学者の村上直之さんが、本年(2014年)5月に逝去された。
村上さんは名著『近代ジャーナリズムの誕生』(改訂版/現代人文社)で知られるジャーナリズム史の泰斗であるだけでなく、ある種の万能人であった。 続きを読む