(上)では池田会長自身の著作から紹介したが、(下)では対談集、香峯子夫人のインタビュー集をはじめ、証言者たちのオーラルヒストリーによる評伝、識者による研究解説書、創価学会や会長の歴史が一冊で読めるテキストなど多様な書籍を10冊ピックアップした。
なお書評子の個人的な選書であり、原則として現時点で新刊が発売中のものとした。この他にも挙げるべき書籍は多々あると思うがご了承いただきたい。
20世紀最大の歴史家といわれるアーノルド・J・トインビーとの対談集。既に高齢で心臓疾患を抱えていたトインビーの要請を受けた池田会長は、1972年と73年、ロンドンのトインビー邸を訪れ、延べ10日間・40時間に及ぶ対談をおこなった。
内容は77のテーマにわたり、世界の多くの識者から「人類の教科書」「現代の百科事典」「すでに古典」等の称賛が寄せられている。
31言語(2023年11月時点)に翻訳されており、池田会長が会見してきた各国の元首や要人、大学首脳や識者のなかには、この書物を通して池田会長を知り、出会いを求めてきたという人も少なくない。
半世紀以上前の対話でありながら、時代を経てもまったく精彩を失わず、むしろ21世紀の今日を先取りする議論が交わされていることに驚く。 続きを読む