連載エッセー「本の楽園」 第28回 君子の酒食

作家
村上 政彦

 僕は、グルマン(健啖家)ではあるが、いま流行のグルメ(美食家)ではない。知る人ぞ知るレストランに何年も先の予約を入れたり、旨いものを求めて辺境に足を運んだりすることはない。
 ジャンクフードも好きだし、小腹が空けばスーパーの沢庵でお茶漬けもかきこむ。いたって普通の食生活を送っている。ただ、食べるのは好きで、旨いものには必ず手が出るし、TVのグルメ番組などは好んで見る。
 実は、本でも、食について書かれたものは読んでいて愉しい。もっとも、こっちのほうは、文章の好悪がはっきりしているので、グルメといえるかもしれない。不味い文章は、まったく食指が動かないのだ。 続きを読む

「ヘルプマーク」を知っていますか?――1人の母の声がついに政府を動かした

ライター
松田 明

それは東京都から始まった

 赤地に白十字とハートのマーク。「ヘルプマーク」をご存じだろうか?
 2020年東京オリンピック・パラリンピックなど外国人旅行者の増加に対応し、「駐車場」「救護所」「案内所」「温泉」などを示すマークが外国人にもわかりやすいよう、3月22日、経済産業省は7種類のピクトグラム(案内用図記号)の国内規格であるJISを変更する取りまとめを発表した。
 旧来のJISによる図柄よりも国際規格(ISO)の図柄の方が日本人にも外国人にもわかりやすいという調査結果を受けたものだ。 続きを読む

連載エッセー「本の楽園」 第28回 文学全集で文学と交際する

作家
村上 政彦

 大学で文芸創作のクラスを担当していて、学生に小説の書き方を教えている。いい小説を書くには、まず、すぐれた小説を読むことだ、というと、すぐれた小説とはどういうものですか? と質問を受ける。
 そのときの僕の答えは単純である。文学全集を読みなさい。

 世界のすぐれた小説の水準を知りたければ、世界文学全集を読めばいい。日本のすぐれた小説の水準を知りたければ、日本文学全集を読めばいい。 続きを読む

迷走する蓮舫民進党の〝脱原発〟――「民進党大会」から見えてきたもの(下)

ライター
松田 明

党大会で工程表を示すはずが

 時代遅れの「二大政党制」を掲げながら、理念も政策も示しきれないままの民進党。
 初の党大会で、蓮舫代表は安倍政権との違いを見せようと「脱原発」を訴えてみせた。

 原発依存からの脱却が前倒しで実現可能となるよう、来る総選挙に向け「原発ゼロ基本法案」を立案し、国会に提出します。
 再稼働まっしぐら、原発依存へ逆戻りの現政権とは違う未来を描いていきましょう。(民進党HP「【定期党大会】蓮舫代表あいさつ」より)

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周回遅れの野党第1党――「民進党大会」から見えてきたもの(上)

ライター
松田 明

支持率が伸び悩む民進党

 民進党の初の定期党大会が3月12日、都内で開かれた。
 かつて一度は多くの国民の希望を託されたはずの民主党政権が、内輪の権力抗争に明け暮れ、尖閣問題や東日本大震災に象徴される政治手腕の未熟さを露呈して、わずか3年余で終焉したのが2012年の暮れ。
 以後、海江田、岡田の両代表とも、ただただ安倍政権への対決姿勢を先鋭化させただけで、支持率が一向に伸びないまま、2016年3月に「民進党」へと看板を掛け替えた。 続きを読む