葦の髄から時評vol.10 秘儀としての漢字――中国史に流れ続ける〝宗教的なもの〟 ジャーナリスト/編集者 東 晋平 姿を現した幻の地下宮殿 1974年3月のこと。中国陝西省西安市の郊外で井戸を掘っていた農夫の鍬が、何か硬いものにぶつかった。土の中から出てきたのは、武具をつけた兵士の等身大の俑(よう)であった。俑とは、墓に副葬する人形のことである。 続きを読む →