特集㉚ 正本堂を破壊した日顕――先師の事績を消し去る

ライター
青山樹人

豪邸を買い漁る日顕夫妻

 池田SGI会長を罷免した直後、宗内には「粥をすすっても」などと言いながら、自分は目黒区八雲にプール付き豪邸を計画していたことが露見した日顕。
 今度は八雲からほど近い世田谷区中町の等々力渓谷沿いの一等地に、敷地面積80坪、時価6億3000万円の屋敷を買い入れ、ジェットバスを備えるなどおよそ2億円の改修費をかけて事実上の自邸としたことが発覚した。
 しかも、宗内にも秘密裏にするため、登記に購入者の名前が出ないように第三者への融資を通して不動産を手に入れる〝覆面買い〟であったことを、写真週刊誌などで報道されたのだ。

なぜ大石寺側は、堂々と売買契約を結ばず、このような手続きをしたのか。実は、この家が宗教活動に使うためではなく、日顕法主が住むための「個人用の住宅」だからではないのか。(『フライデー』1995年2月24日号)

 暴露報道にあわてた大石寺は、例によって「大石寺出張所」だと強弁したが、出張所なら文京区西片に日達時代からのものがある。辻褄合わせのために、宗門は西片の出張所を売却。等々力の豪邸を出張所と言い繕った。
 正当な大石寺出張所なら、なにも覆面買いなどする必要はないはずだ。
 2億円という法外な巨費をかけて改修したこの豪邸を、2005年、日顕は再び破壊している。新たに2億円超の建築費を投じて料亭風の日本建築に建て直し、隠居所とした。
 さらに日顕は、1997年には都内屈指の高級住宅街である渋谷区松濤に敷地面積350坪、時価15億円の豪邸を大石寺名義で購入。1億円の巨費をかけて改修させたあと、こちらもわずか1年で取り壊し、今度は10億円を投じて瀟洒な豪邸に新築した。
 創価学会を切り捨て、信徒の98パーセントを失ったことで、末寺の多くは経営難に陥った。本山からの援助金がなければ生活できない末寺は相当な数に達している。
 一方で、日顕をはじめとする宗内の一握りのファミリーだけが、特権的に常軌を逸した浪費にふけっているのだ。
 住まいがいるなら大石寺に住めばいいものを、なぜ都内の超一等地に、数十億円も注ぎ込んで次から次へと豪邸を買い漁らなければならないのか。宗内には〝綱紀粛正〟を強要し、自分は耳を疑うような贅沢三昧である。
 不可解で異常な浪費は、日顕だけではなかった。日顕の妻・政子は、娘や嫁を連れて、年間に何度も京都を訪ね、最高級のオートクチュールや呉服など、衣装代だけでも1年に億近い浪費を重ねていた。
 信徒からの供養袋のままハンドバッグに現金を詰め、ピン札で支払っていた姿が何度も目撃されている。97年には、娘や孫娘を連れてオーストラリアに遊びに行き、豪華ホテルに泊まりながら高級ブティックをめぐって買い物に明け暮れている姿を報道された。
 さらに2008年には、政子名義で都内港区赤坂8丁目に2億円のマンションが購入されていることが発覚した。外苑東通りに面した20階建てタワーマンションの高層階の部屋である。
 ローンを組んだ形跡もなく、なぜ大石寺の役員でもない政子が、億単位の資金を動かせるのか。事実が露見しても日蓮正宗は釈明もできない。
 まさに日蓮大聖人が、

法師の皮を著たる畜生なり、法師の名を借りて世を渡り身を養うといへども法師となる義は一もなし法師と云う名字をぬすめる盗人なり

と断罪したとおりのエセ出家の姿である。

破壊と普請道楽

 大石寺から先師・日達の色を消すことに腐心していた日顕。
 日達が日帰り登山者の休憩所として建てた大化城は、すでに1989年には撤去されて広場となっていた。周辺にあった樹齢数百年の杉の巨木も、何本か伐採された。
 創価学会を破門したあとは、やりたい放題に暴走していく。
 総門付近にあった桜の木278本も、日顕は容赦なく切り倒した。
 日本建築学会賞、建築業協会賞など日本の近代建築史に輝いた大客殿も取り壊し、他宗の本堂を参考にした和風建築に造りかえられた。
 取り壊しの理由などあるはずもなく、日顕は姑息にも阪神大震災を理由に、大客殿の耐震性に問題があると発表させた。日顕は形式的に大客殿の設計者・横山公男、構造設計者・青木繁の両氏に耐震診断を依頼した。その両者がそろって若干の補強をすれば問題なしと結論したにもかかわらず、日顕は問題ありと強弁して破壊させた。
 2人の設計者は「私たちの耐震診断およびその報告書の著しい歪曲に基づくもので、当事者としてこれを看過できない」と抗議のコメントを出している。横山は、日達の娘婿でもある。大客殿破壊は、大石寺総代にも知らされておらず、宗教法人のルールは、ここでも完全に無視された。
 日顕は、静岡県の天然記念物となっていた「子持ち杉」も掘り返し、根の部分だけを自分が建てた新客殿の玄関の置物にした。
 1998年4月、法華講をかき集めて新客殿のお披露目をしていた日顕は、その最終日の夕方になって、わずかな数の僧侶たちに、正本堂から大御本尊を運び出させた。
 ほどなく日顕は、正本堂の破壊を発表した。
 日顕は取り壊し理由に窮して、またしても池田SGI会長が悪いと言い出した。過去に功績のあった池田SGI会長が、今は〝大謗法者〟になったから正本堂も〝謗法の固まり〟になってしまったとして、だから取り壊すと言うのである。
 800万人の信徒から355億円の巨費を供養させて建てた20世紀最大級の宗教建築である。しかも、東西150メートル、南北220メートルの巨大建築を破壊するための費用だけで、新たに50億円が費やされた。それもまた信徒が差し出した供養である。
 破壊した跡地に建てられた奉安堂は、結局、設計変更や手続きに手間取り、立宗750年の記念登山には間に合わなくなってしまうという杜撰(ずさん)さだった。
 その内部は半世紀前の体育館のような普請。外観は、どう見ても東大寺大仏殿と善光寺本堂を足して割ったようなもの。雪が積もると屋根が凹んでしまう。大石寺は日達時代からすっかり山容を一変させた。
 信徒が激減したため、あいかわらず大石寺に参詣する者は少ない。奉安堂は5000人収容という規模ながら、特別な行事で大動員でもしないかぎり「御開扉」はせいぜい数百人程度でおこなわれている。
 355億円で造った建物を完成からわずか26年で、50億円かけて破壊し、150億円かけて新しく造り直す。とても正気の沙汰ではない。狂気の普請道楽につき合わされる法華講員も哀れである。
 さすがに法華講の中からも、宗門を見限って離れていく信者が相次いだ。
 正本堂の基礎部分が巨大かつ堅牢であったため、50億円かけても基礎部分を完全に撤去することはできず、奉安堂は日顕が〝謗法の塊〟と言い放った正本堂の基礎の上に建っている。

※この記事は『最新版 世界広布新時代への飛翔』(青山樹人著/鳳書院)をベースに加筆修正したものです。

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あおやま・しげと●著書に『宗教はだれのものか』(2002年/鳳書院)、『新装改訂版 宗教はだれのものか』(2006年/鳳書院)、『最新版 宗教はだれのものか 世界広布新時代への飛翔』(2015年/鳳書院)など。WEB第三文明にコラム執筆多数。