コラム」カテゴリーアーカイブ

シリーズ:東日本大震災10年~「防災・減災社会」構築への視点 第5回 「日本版ディザスター・シティ」構想~一級の危機管理要員育成へ(上)

フリーライター
峠 淳次

はじめに

 東日本大震災から10年が過ぎた。この間の復旧・復興の歩みを振り返るとき、改めて痛感するものに「地域社会における危機管理体制の未熟さ」がある。危機管理において最も重要とされる初動段階で対応に躓(つまず)き、被害を拡散させ、その後の復旧・復興の遅れを招いてしまった被災市町村は少なくない。
〝躓き〟の原因を首長のリーダーシップのみに求めるのは短絡に過ぎよう。問題はむしろ、実際に現場で危機管理に当たった市町村の担当部局職員や地元消防・警察などの力量不足にあったように思われる。学校、企業、病院、自治会などの住民組織も含め、災害の際に最前線で指揮、対応に当たる実戦部隊、つまりは危機管理要員のレベルアップが欠かせない。 続きを読む

共産党の〝実績〟を検証してみた――「都政がかじを切った」は本当か?

ライター
松田 明

共産党が主張する〝実績〟

 7月4日投開票の東京都議会議員選挙。
 今回、日本共産党がその〝実績〟の柱にすえて盛んに宣伝しているのが、「認可保育所の増設」というものだ。
 ピーク時の3割にまで退潮が続いていた共産党都議団が、前々回2013年の都議選で8議席から17議席に、前回17年は19議席に増えた。民主党政権が失敗に終わり、その後も迷走を続けたことで、行き場のなくなった不満票が共産党へ流れたのだ。
 都議会で条例等を提案するには議員定数(127人)の12分の1(11議席)以上の賛成者が必要。共産党は13年後半からようやく提案権を復活できた。
 これによって、〝共産党が都政を動かし認可保育所が大幅に増えた〟というのである。 続きを読む

長嶺将真物語~沖縄空手の興亡 第13回 沖縄・海邦国体のドラマ

ジャーナリスト
柳原滋雄

全空連の対応の変化

 沖縄県空手道連盟(以下「県空連」)ができた後、国体競技に沖縄県が組織的に初めて参加したのは翌年の1982年の島根県で開催された「くにびき国体」(以下「島根国体」)だった。
 10月に行われた島根国体では、比嘉祐直の弟子が型の試合に出場したが、沖縄方式の型は認められないという理由で「失格」にされるハプニングが発生していた。
 長嶺将真は翌月、全日本空手道連盟(以下「全空連」)に対し、指定型についての意見書を改めて提出した。沖縄方式の型のままでを競技を認めてほしいという内容だったが、2カ月後に東京から戻ってきた返事は、長嶺らの嘆願を「拒否」する内容だった。 続きを読む

芥川賞を読む 第5回 『自動起床装置』辺見庸

文筆家
水上修一

「眠り」という素材のおもしろさが、読む者を作品世界に引き込む

辺見庸(よう)著/第105回芥川賞受賞作(1991年上半期)

誰も描いたことのないものを描く

 第105回芥川賞を受賞した辺見庸の『自動起床装置』の最大の魅力は、〝眠り〟という素材のおもしろさだろう。誰もが毎日体験し、人生の約三分の一を占める眠りという、あまりにも身近な素材を、レム睡眠とか生体リズムなど医学的な方法ではなく、直観的な洞察によって文学的にアプローチし、徹底して描いていることに驚く。 続きを読む

特集㉞ 滅亡の現証――弾圧した者たちの末路

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
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青山樹人

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