コラム」カテゴリーアーカイブ

若者・女性の困窮を救え――都議選のゆくえが重要

ライター
松田 明

突破口ひらいた豊島区

 コロナ禍のなかで、「若者・女性の貧困」「社会的孤立」といった課題が一層深刻化している。
 飲食店の休業や閉店などでアルバイト先を失った学生。企業の業績悪化で解雇された非正規労働者。ステイホームが長引くなかでのDV(配偶者からの暴力)、児童虐待、うつや引きこもりの増加。
 警察庁のまとめでは、5月に自殺した人の数は1745人。前年の同じ月と比べて1割近く増加している。自殺者が前年同月を上回る状況は、2020年7月以降、11カ月連続。とくに男性の増加率に比べて女性の増加率が顕著に高い。
 また東京都が2018年に公表した調査結果によると、住まいがなくネットカフェやマンガ喫茶で寝泊まりしている人は約4000人。これは「コロナ前」の「東京都のみ」の数字だ。 続きを読む

「共産が保育所増設」はウソ―― くり返される〝実績〟デマ

ライター
松田 明

共産党が主張する〝実績〟

 7月4日投開票の東京都議会議員選挙。
 今回、日本共産党がその〝実績〟の柱にすえて盛んに宣伝しているのが、「認可保育所の増設」というものだ。
 ピーク時の3割にまで退潮が続いていた共産党都議団が、前々回2013年の都議選で8議席から17議席に、前回17年は19議席に増えた。民主党政権が失敗に終わり、その後も迷走を続けたことで、行き場のなくなった不満票が共産党へ流れたのだ。
 都議会で条例等を提案するには議員定数(127人)の12分の1(11議席)以上の賛成者が必要。共産党は13年後半からようやく提案権を復活できた。
 これによって、〝共産党が都政を動かし認可保育所が大幅に増えた〟というのである。 続きを読む

シリーズ:東日本大震災10年~「防災・減災社会」構築への視点 第6回 「日本版ディザスター・シティ」構想~一級の危機管理要員育成へ(中)

フリーライター
峠 淳次

世界最高峰の人づくり施設~TEEX防災キャンパス~

 米テキサス州にある世界最高峰の防災・危機管理訓練施設「ディザスター・シティ」(広さ約21万平方メートル)が作られたのは1997年。168人の命を奪った95年のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件を受けて、大規模災害への包括的な対応訓練を行う施設として整備された。
 管理・運営しているのは、州立テキサスA&M大学の関連団体である「TEEX」(ティークス=Texas A&M Engineering Extension Service テキサスA&M大学技術学外事業)。ディザスター・シティに隣接する、これまた世界最大の火災訓練施設「ブレイトン火災訓練場」(48万5000平方メートル)や対策本部訓練センター(延べ3000平方メートル)も運営しており、これら3施設が建つ空間は「TEEX防災キャンパス」と呼ばれている。 続きを読む

特集㉟ 人権の闘士たちとの共闘――ネルソン・マンデラと池田会長

ライター
青山樹人

 この記事は『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』(青山樹人著/鳳書院)の発売にともない「非公開」となりました。
 新たに「三代会長が開いた世界宗教への道(全5回)」が「公開」となります。

「三代会長が開いた世界宗教への道」(全5回):
 第1回 日蓮仏法の精神を受け継ぐ(4月26日公開)
 第2回 嵐のなかで世界への対話を開始(5月2日公開)
 第3回 第1次宗門事件の謀略(5月5日公開)
 第4回 法主が主導した第2次宗門事件(5月7日公開)
 第5回 世界宗教へと飛翔する創価学会(5月9日公開)

WEB第三文明の連載が書籍化!
『新版 宗教はだれのものか 三代会長が開いた世界宗教への道』
青山樹人

価格 1,320円/鳳書院/2022年5月2日発売
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第三文明社 公式ページ
 

連載エッセー「本の楽園」 第116回 ゲンロン戦記

作家
村上政彦

 僕は、2011年の東日本大震災が起きてから間もなく、作家の先輩に声をかけられて『脱原発社会をめざす文学者の会』に入会した。というか、そのときはまだ、この会はなくて、その先輩たち、仲間と語らって、会を立ち上げた。
 設立時には、立派な会場を借りて、記者会見を開いて、僕も意見を述べた。それが確か2012年のことだ。それから会の活動が始まった。文学者の会なので、言葉と想像力で原発と対峙して、原発のない社会を構想し、築いていく。
 だから、安易に現実政治には関わらない。いや、会として、現実政治に関わったことは一度もない。会の活動は、専門家を呼んで原発について学び、会報やホームページで原発について発言し、年に一度は被災した福島を訪れた。そして、文学作品を書く。 続きを読む