東日本大震災」タグアーカイブ

「助けて」の心が生み出す新たな社会

NPO法人 北九州ホームレス支援機構理事長
奥田知志

 25年に及ぶホームレス支援の活動から見えた本当の絆の在り方とは何か。「助けて」と言える社会を見据え、その基盤となる思想を語る。

「絆は傷を含む」という覚悟に立つ

 ホームレス支援や困窮者支援の活動を通じて感じることは、「努力が足りない」「怠けている」といった「助けられる側」への自己責任論とともに、「助ける側」に向けても「助けるなら最後まで自分ひとりの責任でやりなさい」という自己責任論があることです。このような自己責任論がある中では、助けることのハードルが上がり、おいそれと人助けなんてできなくなってしまいます。 続きを読む

本当の復興を目指して――内部被曝問題の次なる課題

医師
坪倉正治

 東日本大震災発生から3年。放射線問題に揺れた被災地は、別の問題に直面している。解決への決め手がないなか、それでも目の前の出来事と格闘し続ける人々がいる。震災直後から福島県南相馬市に入り、医師として支援を続ける坪倉正治氏に話を聞いた。

一医療者として福島に入る

 震災の当日は、東京で診療をしていました。ただごとではない大きな揺れに、関西出身の私は、中学生のころに経験した阪神・淡路大震災を思い出しました。 続きを読む

被災地と日本の未来を元気にする「きっかけバス47」が出発!

きっかけバス47プロジェクト 学生統括
弥冨 彬(いやどみ・あきら)

 復興支援・防災教育・地域貢献を柱に、47都道府県をつなぐ若者育成を目指す学生発の独創的な運動が始まった。

震災の記憶を未来に生かす

 私たち「助けあいジャパン」は、東日本大震災を機に生まれた公益社団法人です。被災地で求められる迅速かつ正確な情報は、被災者や支援者にとって、水や食料と同じくらい大切だという価値観のもと、震災直後から活動を続けてきました。現在では被災3県(岩手・宮城・福島)の自治体や、観光庁・内閣府防災などとも連携しながら復興支援に取り組んでいます。 続きを読む

コンクリートの巨大堤防では生命の尊厳は守れない

東北大学大学院教授
安田喜憲

 甚大な被害をもたらした東日本大震災――「いのちを守る森の防潮堤」を被災地につくるべく奔走してきた安田氏に話を聞いた。

人びとの心に共感を広げる「森の防潮堤運動」

 私は現在、「森の防潮堤」の実現を広く訴えています。しかし宮城県には、巨大なコンクリートの防潮堤を構築する計画があり、それに「待った」をかけてくれたのが、公明党の太田昭宏国土交通大臣です。 続きを読む

世界一の少子高齢社会は、こう迎え撃て! ――子ども・子育て新制度、若者、起業

認定NPO法人フローレンス代表理事
駒崎弘樹

こんにちは、ハイパー高齢社会

 米国のデイヴィッドソン教授によると、これから20年後、65%の人は現在では存在しない仕事に就いているそうです。つまり、我々の生きる時代は、極めて激しい変化に見舞われることだけは確実で、予測なんておこがましくてできません。
 とはいえ、ある程度言えることもある。先進各国はグローバリゼーションへの対応が課題になっていますが、日本の場合には人口減少という大問題が付加されてきます。 続きを読む