ヒロシマ」タグアーカイブ

「反戦出版」書評シリーズ④  『家族から見た「8・6」 語り継ぎたい10の証言』

ジャーナリスト
柳原滋雄

青年が聞き取りした10の証言

 2014年に上梓された『男たちのヒロシマ~ついに沈黙は破られた』につづくヒロシマ被爆証言集。2015年に発刊された本書は、青年世代が聞き取りを行ってまとめたという点に最大の特徴がある。また聞き取りの対象者も、4人の直接の被爆体験者と、6組の被爆2世となっており、重層的な構成となっている点も特徴のひとつだ。 続きを読む

「反戦出版」書評シリーズ② 『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』

ジャーナリスト
柳原滋雄

被爆体験を継承するための重要な一書

 2015年に新たに上梓された『語りつぐナガサキ――原爆投下から70年の夏』は、前年に出版された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』につづく長崎編と呼べるものだ。
『ヒロシマ』は表題のとおり、男性のみによる証言集だったのに対し、長崎編には男性・女性の体験から成っている。 続きを読む

「反戦出版」書評シリーズ① 『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』

ジャーナリスト
柳原滋雄

直接体験をもつ最後の世代が沈黙を破る

 全80巻の反戦出版シリーズ(1974~85年に刊行)で知られる創価学会が近年、新たな平和出版活動を重ねている。以前の反戦シリーズは、同青年部がまとめたもので〝戦争を知らない世代へ〟が副題となっていた。
 2014年に新たに上梓された『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』(第三文明社刊)は、表題のとおり、男性による証言集だ。 続きを読む

1人ひとりの粘り強い対話が平和の万波を呼び起こす

現代美術・映像作家/芸術平和学研究者
田中 勝

人類は核なき世界を実現できるか。芸術平和学を研究する田中氏に聞いた。

原爆製造の地で平和展を開催

 若いころから「自分だけにしか表現できない作品をつくりたい」と願っていた私は、28歳のとき、サンフランシスコの「国際美術展」へ出展する機会に恵まれました。会場でスピーチを求められた私は、父の被爆体験を語りました。
 スピーチを終えると、1人の女性が涙を流しながら駆け寄ってきたのです。 続きを読む