中国」タグアーカイブ

日本ができる国際貢献のあり方とは

東京外国語大学教授
伊勢﨑賢治

 国際的にみて、集団的自衛権はどのような位置づけなのだろうか。国際情勢に詳しい、伊勢﨑賢治氏に話を聞いた。

薄い日本の存在感

 日本で憲法9条がなくなろうと、集団的自衛権行使が容認されようと、国際情勢には影響はないでしょう。それほど日本の存在感はなくなっているのです。 続きを読む

日本は憲法9条の考えを世界に輸出していくべき

国際交流NGOピースボート共同代表
川崎 哲

 憲法9条は世界からどのように評価されているのか。私たちはどう向き合っていくべきか――。

日本のナショナリズムを世界が警戒

 最近の安倍政権の安全保障政策を見ていると、私はその進め方に強い危機感を感じています。
 海外でも日本の現状を心配する声をよく耳にします。昨年(2013年)7月、ピースボートでシンガポールを訪れる機会があり、そこである国際組織の先生に開口一番「安倍政権が心配です」と言われ、今年3月また同じ先生から「すごいスピードで軍事的政策が進められているが、日本は大丈夫なのか」と問われました。 続きを読む

【コラム】〝文化〟が生まれる場所――変わりはじめたタイの若者たちの暮らし方

フリー編集者
東 晋平

世界大会6位のバリスタ

 育ちざかりの年頃の子供は、ほんの少し会わないだけで、ぐっと背が伸びていたり顔つきが大人びていたりして驚かされるものだが、同じことは「国」にもいえると思っている。経済発展が進む若い国では、まず急加速でインフラが整っていく時期があり、少しすると人々の装いや仕草にも変化が見えてくる。この春、1年数ヵ月ぶりに訪れたタイでも、そうした若々しい変化をいくつか発見した。 続きを読む

長期展望に立って〝世界の文化財〟に資する取り組みを――書評『世界の読者に伝えるということ』

フリーライター
青山樹人

「世界文学」として読まれる村上春樹

「アジアの国々は日本や韓国などからさまざまな文化を〝輸入〟していますが、小説はそれほど〝輸入〟されていません」

 3月に開かれた東京国際文芸フェスティバルのトークセッションで、マレーシアの作家タッシュ・オー氏が語った言葉だ。 続きを読む

著者インタビュー『日本人はなぜ存在するか』

愛知県立大学日本文化学部歴史文化学科准教授
與那覇 潤

 著書『日本人はなぜ存在するか』で示した再帰性の観点が、ナショナリズムが台頭しつつある今の日本になぜ必要なのか。與那覇氏に話を聞いた。

――著書『日本人はなぜ存在するか』のテーマである「再帰性」の考え方はなぜ必要なのでしょうか。

 再帰性とは、「われわれは単に現実に存在するものを認識しているというより、逆に認識を通じて現実を作り出している」という視点のことです。わかりやすいように、まずは個人と世界の関係で例を出せば、夕焼けが赤く見えるのは太陽自体が赤いからなのか、私の網膜にそれを「赤く見る」性質があるからなのか。後者の観点を取るのが再帰性の立場です。 続きを読む