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長期展望に立って〝世界の文化財〟に資する取り組みを――書評『世界の読者に伝えるということ』

フリーライター
青山樹人

「世界文学」として読まれる村上春樹

「アジアの国々は日本や韓国などからさまざまな文化を〝輸入〟していますが、小説はそれほど〝輸入〟されていません」

 3月に開かれた東京国際文芸フェスティバルのトークセッションで、マレーシアの作家タッシュ・オー氏が語った言葉だ。 続きを読む

日本再生の力は成熟したインターネット文化にある

評論家
宇野常寛

政治、経済に閉塞感が漂う中、日本文化の力を今一度問い直す。

露呈したテレビ、ネットの限界点

 2013年のカルチャーは、テレビドラマが息を吹き返した年だったと考える人が多いと思います。顕著なものとしての「半沢直樹」「あまちゃん」がありますが、これらはどちらも中核のユーザーが40代だったと言われています。
 これは今のテレビの手法やテレビに携わる人たちの創造力で巻き込める限界が、団塊ジュニアのアラフォー世代にあるという現実が露呈したといえるでしょう。 続きを読む

【コラム】日本人を魅了し続ける「かぐや姫」――私たちは、どこから来て、どこに行くのか

フリーライター
青山樹人

1000年前の『E.T.』

 スタジオジブリの最新作『かぐや姫の物語』が、封切り最初の土日だけで22万2822人を動員し、順調な滑り出しを見せた。
 これから映画を観る人も多いだろうから、ここでは映画そのものには触れないことにして、この作品の原作となった古典『竹取物語』について、少し考えてみようと思う。 続きを読む