対立」タグアーカイブ

差別や差異を一緒に乗り越えたい

人材育成コンサルタント
辛淑玉

 人種差別的なヘイトスピーチが日本国内で広がる中、こうした差別の暴力に対し、対立ではなく〝乗り越える〟視点で活動を続ける辛淑玉氏に話を聞いた。

置き去りにされた人と一緒に生きる

 今回(2014年1月)受賞した「エイボン女性年度賞(※注)はこれまでの活動を評価していただいての受賞となりましたが、特にヘイトスピーチに関する取り組みが評価されたことはとても嬉しく思いますし、大きな意味を持つことだと思っています。
 私が育ってきた環境には、常にリアルな差別が目の前にありました。親を見ているとそこには民族差別があり、母親と父親の関係では女性差別があり、周囲にはシングルマザーの問題も数多くありました。 続きを読む

【コラム】イスラエルとパレスチナ。そして私たち自身の隣人へのまなざし――【映画】『もうひとりの息子』

ライター
青山樹人

※このコラムには、2013年10月19日公開 映画『もうひとりの息子』のストーリーなど内容についての記述があります。

外形で区別できないユダヤ人とパレスチナ人

 2013年10月から日本でも封切られた映画『もうひとりの息子』は、2012年の東京国際映画祭で、審査員全員一致のグランプリと最優秀監督賞をダブル受賞した話題の作品だ。
 監督と脚本を手がけたのはユダヤ系フランス人のロレーヌ・レヴィさん。彼女自身のアイデンティティともかかわりのあるイスラエルとパレスチナの根深い対立を題材に、普遍的な共感と希望の予感を覚えさせる物語を描いて絶賛を浴びた。
 イスラエルとパレスチナの問題は、とりわけ私たち日本人にはよく理解できていないことが多い。 続きを読む