第2次世界大戦」タグアーカイブ

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葦の髄から時評vol.20  「永遠性」――ハルビンの収容所で亡くなった女性を描く

ジャーナリスト/編集者
東 晋平

なぜ祖母は死ななければならなかったか

 Eテレ(NHK教育テレビ)のドキュメンタリーで、画家の諏訪敦さんを取り上げた回があった。
 諏訪さんは、非常にリアルで細密な絵を描かれる人だ。番組は、終戦70年の2015年ににむけて、諏訪さんが取り組んだ一枚の絵の誕生を追うものだった。
 それは、終戦のわずか3ヵ月前、1945年の春に満蒙開拓団として満州に渡り、その年のうちにハルビンで死んだ、諏訪さんの祖母の亡骸を描いた作品である。 続きを読む

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日本とフィリピンの「共生の世紀」を見つめて――書評『マリンロードの曙』

ライター
松田 明

両親を日本軍に惨殺されたアブエバ氏

 ホセ・V・アブエバ氏は、ニューヨーク市立大学、イェール大学等の客員教授を経て、東京の国連大学本部に勤務。帰国後は国立フィリピン大学総長として手腕を振るい、退官してカラヤアン大学を創立、初代学長に就任した。同国の憲法改正諮問委員会委員長を務めるなど、文字どおりフィリピンを代表する知性の1人である。 続きを読む

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国交正常化の原点を丹念に見直す―書評『扉はふたたび開かれる 検証日中友好と創価学会』

ライター
青山樹人

宗教家ゆえに黙殺されてきた功績

 行き詰まったら原点に帰れ、である。
 2015年1月から7月までの訪日外国人は、はやくも1100万人を超えた。中国人が最も多く275万人余で、前年の同じ時期より2倍以上に増えている。
 日中関係は観光や経済を中心にかつてないほど深まっている。一方でこの数年、政治的な次元では幾度も「国交正常化以来最悪」という形容詞で語られる危機が続いてきた。 続きを読む

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覇権の時代を平和のネゴシエーターとして生き残る

九州大学名誉教授
藪野祐三

アジアの安定を図るために、日本がすべきこととは何か。

なぜアジア各国は覇権を求めるのか

 近年、西沙諸島や尖閣諸島など、東アジアの領土を取り巻く問題が緊張を続けています。この問題を読み解くには、東アジアの歴史を踏まえる必要があるのではないかと思います。 続きを読む

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文明の行き詰まりをどう乗り越えるか

評論家・東日本国際大学客員教授
森田 実

母たちの絶望する戦争を2度と起こすな

 私がこれまで常に心のなかで大切にしてきたことは、どんなことをしても、たとえ名誉やプライドをかなぐり捨てることがあったとしても、平和だけは守りたいとの信念です。およそこの世の中で、人間の所業によって人間が苦しむほどの不幸はないと思います。そのなかでも最大の不幸が、人間が人間を殺す戦争であり、とりわけ核兵器の使用こそ人類史上最大の罪悪だと考えています。 続きを読む