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【コラム】集団的自衛権めぐるヤンキー的なノリ――「結果」を問わない〝勢いのリアリズム〟の危うさ

ライター
青山樹人

「気合いとアゲアゲのノリ」の国

 精神分析医で評論家の斉藤環氏は、近著『ヤンキー化する日本』で、日本社会と〝ヤンキー文化〟の親和性を述べている。
「ヤンキー」とは言うまでもなく不良少年少女を指すわけだが、斎藤氏は

<むしろ、彼らが体現しているエートス、すなわちそのバッドセンスな装いや美学と、「気合い」や「絆」といった理念のもと、家族や仲間を大切にするという一種の倫理観とがアマルガム的に融合したひとつの〝文化〟を指すことが多い>

と解説する。
 それはひとことで言えば、論理や理想よりも「気合いとアゲアゲのノリ」で突き進むことを美しいと感じる文化である。 続きを読む

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今、私たちが宮沢賢治から学ぶこと

法政大学教授
王敏

 支え合う社会の構築に向けて日本人に求められるものとは何であろうか。宮沢賢治研究の第一人者・王敏氏が、日本人が忘れかけている〝日本人〟を語る。

宮沢賢治の不屈の探求心

 情報化社会の中で、現代人は探求心が薄れてしまいました。それどころかあまりにも多すぎる選択肢を前に戸惑いが生じ、目眩を起こしてしまっています。
 宮沢賢治の時代は、ものが少ない時代でした。少ないから選択する力が生まれ、探究心も芽生えます。その点では、ものに溢れた現代と比較した場合、逆に幸せな時代であったといえるかもしれません。 続きを読む