原発」タグアーカイブ

連載エッセー「本の楽園」 第6回 フクシマの祈り

作家
村上政彦

 あなたの前にいるのはご主人でも愛する人でもありません。高濃度に汚染された放射性物体なんですよ。

と、原発事故の現場へ急行した消防士の妻は忠告を受けた。夫は14日後に死亡し、2ヵ月後に出産した赤ん坊も被曝していて、4時間で息を引き取った。彼女は、こうした話ができるようになるまで10年間かかったという。 続きを読む

【シリーズ】震災からの歩み マイナスをゼロに、ゼロをプラスに――未来につながる復興を目指して

東京大学大学院教授
早野龍五

 東日本大震災から4年。不安を煽るのではなく、不安を払拭するために必要な科学の目を通して、被災地に寄り添ってきた物理学者・早野龍五氏に、話を聞いた。 続きを読む

対談企画シリーズ「『若者という希望』に未来を託そう」(第2回)

京都造形芸術大学教授
寺脇 研

「福島の今」から日本の未来を見すえる

第2回対談者 開沼 博(社会学者)

 未来を開くのは青年の熱と力──。教育者で京都造形芸術大学教授の寺脇研さんによる対談シリーズの第2回です。社会で活躍する「ゆとり世代」などの若者世代と語り合い、希望の未来を描き出します。今回のお相手は、気鋭の社会学者・開沼博さんです。 続きを読む

憲法96条改正の問題点とは

北海道大学大学院教授
山口二郎

「硬性憲法」としての日本国憲法

 日本国憲法第96条では、憲法改正の要件が定められています。衆参両院で3分の2以上の国会議員が賛成しなければ、憲法改正のために必要な国民投票を発議することはできません。自民党は野党時代の昨年(2012年)4月、憲法改正草案を発表しました。草案によると、衆参両院で過半数の賛成を得られれば国民投票を発議できるとされています。 続きを読む