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【コラム】認知症を社会で支える体制を――65歳以上の高齢者4人に1人が認知症になる時代

ジャーナリスト
柳原滋雄

高齢者の4人に1人が認知症の時代

 高齢化社会の進展で、自分の身の回りに認知症の高齢者がいるのが当たり前の時代に入った。厚生労働省の調査(2012年)によると、全国の65歳以上の高齢者の15%にあたる約462万人が認知症と推計され、さらに認知症の前段階とされるMCI(軽度認知障害)の高齢者も約400万人いて、65歳以上の4人に1人が認知症あるいはその予備軍と見られている。問題は、今後こうした人々が社会的に急増すると予想されることだ。 続きを読む

軽減税率導入の必要性と改正介護保険制度の問題点

淑徳大学教授
結城康博

消費増税には軽減税率の導入を

 2014年4月から消費税が8%となり、その後、2015年秋には10%に消費税が引き上げられる予定です。その際、軽減税率を導入するかどうかが問題となっています。 続きを読む

分断された社会をどう生きるか

関西学院大学准教授
鈴木謙介

 ウェブやスマートフォンの発達に伴い、現実空間に無数の「孔(あな)」が開いてしまったという鈴木謙介さん。人間が「分断」されてしまった社会でどう生きるべきか、話を聞いた。

物理的空間に開いた「孔」

 私たちが生きている空間は、単なる物理空間ではなく、いろいろな意味を帯びています。教室であれば「授業をする場所」という意味があります。
 それが携帯電話やスマートフォンの普及に伴い、「場所」がもつ意味は単一ではなくなってきました。 続きを読む

若者の暮らしと未来を守る年金制度を考える

岡山県立大学教授
増田雅暢

 貧困や雇用の問題など時代の変化に不安を覚える若者は多い。一方だからこそ、「しっかり年金の保険料を納めていくべき」と考える人がいる。行政経験を生かし、実践的な教育を行っている増田雅暢氏に〝年金の今〟を聞いた。

年金制度は破綻しない

 65歳以上の高齢者人口が3000万人を突破し、今ほど年金制度に対する国民的関心の高い時代はないと思います。その一方で、年金の仕組みが国民に正しく理解されていないために、「将来、年金制度がなくなってしまうのではないか」といった破綻論が世の中にはびこっています。
 その最たるものが「未納率」の問題です。 続きを読む

人口減少社会という希望

千葉大学教授
広井良典

すでに始まった人口減少社会をどう捉えていけばよいのか。日本の未来に向けての新たな視点を語る。

本当の豊かさへの転機

 日本の人口は江戸時代後半、3000万人強でフラットな推移をしていました。それが明治以降、急激に人口が増加し、急勾配のまま伸び続けていきました。そして2004年に1億2784万人に達し、そのピークを迎えます。 続きを読む