IMG_71667

小池知事と都議会公明党(上)――今回の都議選で何が決まるのか?

ライター
松田 明

「是々非々」と「協調」

 いよいよ注目の東京都議会議員選挙まで1ヵ月となった。
 都政には教育、医療福祉、防災減災、暮らしの安全など、都民の暮らしにかかわるさまざまな課題があり、〝争点〟を面白おかしく特定の問題に際立たせるべきではない。
 ただ、今回の選挙で結果的に何が決まるのかと言えば、ズバリ「小池知事の改革が進むのか否か」ということになるだろう。
 国政と異なり、地方政治は有権者が「首長」と「議会(議員)」の両方を選挙で選択できる二元代表制だ。
 つまり、「首長」と「議会」は互いに住民の代表であり、緊張関係を持ってチェックし合うと同時に、双方が車の両輪のように協調して、住民のための施策をスムーズに実現できなければならない。

 地方の首長の権限は絶大です。たとえば予算についても、その編成権は議会ではなく首長にあります。よって、東京都において本気で都政改革を前進させようと思えば、人事と予算の権限を持つ都知事と協調することは、自然の流れです。また、そうしたなかで是々非々の姿勢を持つことこそ、責任ある政党といえるでしょう。(河村和徳・東北大学大学院准教授/『第三文明』2017年7月号

 その意味では、小池都知事と「是々非々の姿勢」で「協調」し「本気で都政改革を前進させよう」とする議会勢力はどこなのかを有権者が見極めること。そして、その議員たちがどこまで勢力を獲得できるのかこそが、今回の都議選の肝となる。

「改革」に抵抗する勢力

 都議会のうち、最大会派の自民党東京都連は、就任直後の知事との握手さえ拒むなど、強気の対決姿勢を見せてきた。
 議員報酬削減や政務活動費の公開を主張した都議会公明党を名指しで批判するなど、議会改革にも真っ向から抵抗したが、さすがに世論の逆風を感じたのか、最終的には公明案を受け入れて条例改正に賛成。だが、その後は再び小池知事との対決色を鮮明にし、今もHPで知事批判を掲げている。
 民進党系の2会派は、国政で蓮舫代表率いる民進党の支持率がさっぱり伸びないことに不安を覚えたのだろう、今年に入って揃って「民進党」の看板を捨て「東京改革議員団」と改称。
 すっかり共産党に牛耳られた「野党共闘」を批判して都連幹事長の国会議員が民進党を離党したのをはじめ、都議会公認候補だった36人のうち14人(公認でない都議2人を合わせると16人)が離党し、もはや党存亡の危機にさえ陥っている。
 共産党は、この春まで39年間も都の予算に反対しておきながら、あいかわらず他党の実績を平然と自分たちの実績だとデマ宣伝を繰り返すだけの「実績ゼロ」政党。
 人々の不安を煽って党勢拡大を図るといういつもの戦術で、今回は「築地市場存続」と、都政とは関係のない「憲法9条」を争点にしようと躍起になっている。
 小池都知事にとって、これらどの政党も「是々非々の姿勢」で「協調」し「本気で都政改革を前進させよう」とする政党でないことは明らかだ。

「公明の圧勝」訴える小池知事

 5月のゴールデンウイーク、小池都知事が都議会公明党の予定候補のうち、とくに激戦区となっている8氏の応援演説に走ったことが話題になった。

「公明党には都議選で圧倒的な勝利をしてほしい」「東京大改革の中軸だ」(荒川区で/「朝日新聞」5月4日)

「都議の報酬削減を真っ先に決断し、身を切る改革を引っ張ったのが公明党だ」(豊島区で/「日本経済新聞」5月4日)

 小池都知事が組んだ初の2017年度予算は、都議会公明党が昨秋に発表した「3つの挑戦」(①身を切る改革 ②教育負担の軽減 ③人にやさしい街づくり)をすべて盛り込むものになった(※公明ニュース「〝3つの挑戦〟が実現」)。

 特に公明党の皆様方には、知事の報酬の半減以来、今度は議員報酬の縮減などなど、大変大胆なリード役をおつとめいただいた。(5月11日 小池都知事の会見)

 最大会派の自民党が敵対するなか、就任まもない小池都知事が着実に都政改革を進めてこられたのは、第2会派の都議会公明党が独自の改革案を出し、最終的に他会派との合意を形成するところまで持ち込んだからである(※「前掲コラム」参照)。
 6月1日、小池都知事は自ら地域政党「都民ファーストの会」代表に就任した。同党は既に本年3月、都議会公明党と政策協定を結び、相互推薦を決めた。
 ただ、急ごしらえの新党であり、候補者も新人や他党からの鞍替え組みなどが大多数。どこまで選挙で善戦できるか、また当選したあとどこまで都民の評価を得られる仕事をするかは、知事自身にとっても未知数だ。
 緒に就いたばかりの「東京大改革」が進むか、止まるか。都議会公明党の圧勝なくしては今後の改革が立ちゆかなくなることを、誰よりも小池都知事が理解している。
 知事の「公明党には都議選で圧倒的な勝利をしてほしい」という訴えは切実な〝本音〟だろう。

「小池知事と都議会公明党」シリーズ:
小池知事と都議会公明党(上)――今回の都議選で何が決まるのか?
小池知事と都議会公明党(下)――識者が期待する知事と公明の連携

松田 明 関連記事:
日本共産党と北朝鮮の〝黒歴史〟――「北朝鮮にリアルの危険ない」の背景
それ、共産党の〝実績〟ですか?――平然とデマ宣伝を繰り返す体質
北朝鮮情勢で恥をかく共産党――「地上の楽園」「リアルな脅威がない」
「公明党案」で可決した議員報酬削減――都議会、政務活動費も減額し「全面公開」へ
あきれた共産党の〝実績〟アピール――選挙が近づくと毎度のことですが