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「給付型奨学金」がついに実現――〝貧困の連鎖〟を断て

ライター
松田 明

与党としての「幅の広さ」

 自公連立政権が5年目に入った。
 この1月13日に東京商工リサーチが発表したところによると、2016年における負債1000万円以上の企業倒産は前年比4.2%減の8446件となり、26年ぶりの低水準になった。
 賃上げも3年連続で2%台を続けており、自公政権の経済政策の成果が、さまざまな数字で明らかになってきている。

 安倍首相「一強」で単色に染まる自民党の議論に公明党が加わることで、与党としての幅の広さを示す効果もある。(「朝日新聞」2016年9月17日社説)

 とりわけ、自民党の単独政権でなく、公明党との連立になっていることは、結果的により多様な民意に沿い、幅広い政策の実現に奏功してきた。

「経済成長に力が入りすぎ、分配を怠ると格差が生じる。成長と分配がかみ合って好ましい循環をつくることが重要だ。連立政権として、成長と分配に配慮した政策を前進させていく」(公明党・山口代表/京都の新春年賀会あいさつ/1月10日)

 年明けから明るい話題になったのが、2017年度予算案に、返済不要の「給付型奨学金」制度が盛り込まれたことだ。

公明党の執念が実る

 この「給付型奨学金」も、じつは公明党が1969年から半世紀近いあいだ、一貫して主張し続けてきたものだった。
 昨年4月、公明党のプロジェクトチームが具体的な財源案を示して安倍首相に制度創設を具申。政府内や自民党内の慎重論を退けて、6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」に「創設」の2文字を明記させた。
 前倒し的に2017年度は約2800人を対象に、本格実施となる18年度からは約2万人を対象に実施されることとなる。
 これは住民税非課税世帯から大学や専門学校に進学する者のうち、学校の推薦を受けた人に毎月2万~4万円が給付されるというものだ。他の先進国と比べると、まだ十分とはいえないものの、日本の教育政策に歴史的な転換をもたらす一歩となった。
 あわせて、児童養護施設出身者などには入学時に24万円を追加給付することも、公明党の提案で決定した。

「通級指導」の教員拡大も

 子供は自分が生まれてくる家庭を選べない。家庭の貧困によって進学への道や意欲そのものが断たれ、結果的にそれが新たな貧困につながるという「貧困の連鎖」。一方で、奨学金の返済が自己破産を生んでいる深刻な状況もある。
 学ぶ意欲のある子供たちが返済不要の「給付型奨学金」で十分な教育の機会を得ることは、「貧困の連鎖」を断つ最大の若者支援であり、それはそのまま「未来への投資」という成長戦略につながっていく。

 今回、進学を後押しする制度が大きく拡充できました。今後も「給付型」を大きく育てるとともに、新たな「所得連動返還型」の対象拡大、奨学金をめぐる相談事業の充実などをめざします。(富田茂之・公明党文科部会長)

 なお、2017年度予算案には、発達障害のある児童・生徒らに対応する「通級指導」の教員拡充も盛り込まれた。これも財務省が難色を示して、一旦は見送りになりかけていたものだったが、予算編成の最終盤で公明党が押し通した。
 自民党と公明党の連立がもたらす〝与党としての幅の広さ〟が、教育の分野に画期的な成果を生みつつあることに期待したい。

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