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退潮傾向に焦る日本共産党――40年も続く〝目標を達成できない〟空転

ライター
松田 明

10ヵ月連続で後退

 この7月15日、日本共産党は創立96周年を迎える。
 だがその日本共産党は、党勢の退潮傾向が止まらないことに焦りを隠せない。
 6月11日に東京・代々木の党本部で開催された第4回中央委員会総会(4中総)の総会決議では、2019年の統一地方選、参院選を前に、同党の厳しい現状と危機感が語られた。
 思えば、半年前の2017年12月におこなわれた第3回中央委員会総会(3中総)で、締めくくりの挨拶に立った志位委員長は、

 総選挙での日本共産党のたたかいぶり、そしてその結果を見て、この党を一緒に大きくしたい、そのために自らが入党したいという動きが起こっていることは、たいへんにうれしいことであります。(志位委員長の結語)

 この12月から、党員拡大を根幹とする党勢拡大で必ず前進に転じて、新しい年を迎えようではありませんか。(同)

と勇ましく呼びかけた。
 だが、今回の4中総の決議では、冒頭から、

 党勢拡大は、全国の党組織・党員の奮闘にもかかわらず、党員では10カ月連続で後退し、「しんぶん赤旗」日刊紙では5カ月連続で、日曜版でも8カ月連続で後退が続いている。(3中総実践の到達と「特別月間」のよびかけ)

と、ジリ貧状態の党勢が赤裸々に語られた。
 半年前の「この党を一緒に大きくしたい、そのために自らが入党したいという動きが起こっている」というのは、どうやら志位氏の幻覚だったようだ。

40年以上、目標達成できない

 そこで今回の4中総では、まず3中総で掲げた目標の先延ばしが発表された。

 3中総決定では、「前回参院選時の回復・突破」を7月末までの目標としたが、現在の重大な到達点を直視し、この目標を全党が必ず達成するために、遅くとも9月末までにやりとげることにする。

 そして、決議の文章はこう続く。

 前回参院選時回復・突破までは、党員1万6千人、日刊紙読者1万6千人、日曜版読者8万3千人以上の拡大が必要だが、この目標を、全党の力をくみつくして、必ずやりとげることを呼びかける。「特別月間」のとりくみをつうじて、「自ら掲げた目標を必ず達成する党」への前進をはかろうではないか。

 もはや太平洋戦争末期の大本営か、昨今のブラック企業の檄のような、悲壮な言葉が躍る。
 しかも、「自ら掲げた目標を必ず達成する党」になれていない同党の実情まで、正直に認めているのだ。
 4中総で挨拶に立った志位委員長は、こうした〝目標を達成できない党〟の実態が、じつは過去40年以上にわたって続いていることを明かした。

 1958年の第7回党大会以来、わが党は、党勢拡大に力を集中する「月間」や「大運動」にくりかえしとりくんできましたが、率直に言って、自ら決めた目標を達成したのは1970年代中頃までの運動であり、その後の「月間」や「大運動」では、奮闘はするが目標を達成できないという状況が続いてきました。(『しんぶん赤旗』6月12日)

 志位氏は〝自分の責任ではない〟と弁明するためにこう述べたのだろうが、この政党の指導層が長年にわたり、いかに無能であったかを自白したに等しい。

今度の目標は「850万票」

 日本共産党の党勢は、志位氏が告白したように40年にわたって低迷している。
 衆議院選挙の得票数でも瞬間的な〝躍進〟を見せたのは2回だけ。1996年と2014年だけなのだ。
 そして、それはいずれも社会党と民主党という当時の野党第一党が国民の大きな失望を買ったことで、行き場のなくなった不満票が流れ込んだ結果にすぎなかった。
 同党が今も党綱領に最終目標として掲げる「社会主義・共産主義の社会」に日本を革命することなど、そもそも大多数の国民は望んでいないからだ。
 旧・民主党をはじめとする他の野党が内輪の権力闘争に明け暮れ、もはや党名も代表名も覚えられないほど分裂と野合を繰り返している状況に便乗して、とくにこの数年、日本共産党は巧みに「野党共闘」を主導してきた。
 だが、その結果もたらされたのは、さらなる野党の分裂と野合であり、国民の信頼を一層失う今日の惨状である。

 党勢拡大については、全国の同志の奮闘によって、部分的・萌芽的には前進の手がかりをつくってきましたが、全党的には連続的に後退が続くという状況にあります。このまま推移するならば、来年の参院選・統一地方選で躍進をかちとるという大目標とのかかわりで、致命的な弱点となりかねない状況にあります。(志位委員長の4中総での挨拶)

 毎回毎回、無謀な目標を設定して党員たちに発破をかけながら、その目標が達成できないという状況が40年以上続く。その責任は誰にあるのだろうか?
 しかも今なお「全党的には連続的に後退が続くという状況」にありながら、日本共産党は今回の4中総でも、またまた「前回比3割増し以上」という目標をぶち上げた。

 党員でも、読者でも、現勢の約1・4倍以上をめざすという目標になります。どんな複雑な情勢が展開したとしても、参院選で「850万票、15%以上」という比例目標をやりきる(同)

 ジリ貧を認めつつ、ずいぶんとまた大きな目標を立ててしまったものだ。
 野党第一党の立憲民主党も支持率が下がりはじめ、第二党の国民民主党にいたっては各社調査でも支持率ほぼ0%。志位氏は、ふたたび行き場のなくなった不満票が日本共産党に流れ込むチャンスだと皮算用しているのかもしれない。
 しかし、減少する党員は他党に比べても高齢化が目立ち、ポスター貼りもビラ配りも署名運動も、高齢者の姿ばかり。
 さて、次こそは〝奮闘はするが目標を達成できない〟政党から脱皮できるのだろうか。それとも、さらに残念な記録を更新するのか。

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