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与野党の明暗が分かれた1年――から騒ぎに終始した民進党

ライター
松田 明

暮らしに直結する法律の数々

 12月17日、第192回臨時国会が閉会した。
 政府提出法案は継続案件も含めると24本が成立。議員立法は17本が成立した。
 報道では、TPPやIR(統合型リゾート整備推進)法をめぐる派手な騒ぎばかりが目を引いたが、成立した法律の中には、SNS上での嫌がらせも規制対象に加えた改正ストーカー規制法、がんになっても就労し続けられる道を開いた改正がん対策基本法、休眠預金を社会公益活動への助成に転ずる休眠預金活用法など、国民の暮らしの質を上げる法律が少なくない。

 とくに議員立法のうち14本は、与党の中でも公明党が強力に推進してきたもので、連立のパートナーとして同党の健闘が光る臨時国会となった。(→臨時国会での議員立法の成果_公明党HP
 年金改革法が成立したことについては、新聞各社の評価も高い。

 少子高齢社会で、年金制度を維持するには、世代間で痛みを分かち合うことが欠かせない。そのために必要な一歩だ。(『読売新聞』12月15日社説)

 成立したからといってすぐに年金がカットされるわけではない。あくまで賃金や物価が下がった時のための措置である。年金は現役世代の賃金や物価と連動しており、賃金が下がっても年金が高いままだと将来の給付水準が低くなりすぎる。それを避けるために必要な改革である。(『毎日新聞』12月16日社説)

戦後史を画する成果をあげる

 今年は、5月にはオバマ大統領が現職の米国大統領として初めて広島を訪問。戦後71年にして、被爆者や遺族が見守るなか、原爆慰霊碑に献花した。
 8月には日韓政府による慰安婦問題の〝最終的かつ不可逆的〟合意に基づいて、日本政府から韓国側の「和解・癒し財団」に10億円が拠出された。
 12月には16回目の安倍・プーチン会談が実現し、日ロ平和条約締結への新しい対話の道筋が開かれた。日ロの次の世代に〝負の遺産〟を残さないと両首脳は決意を表明した。さらに、年末に安倍首相がハワイの真珠湾で慰霊をおこなうなど、戦後の世界史に特筆される〝和解の扉〟がいくつも開かれた年となった。
 これらを可能にした最大の理由は、自公連立によって安倍政権の基盤がきわめて安定していることにある。今やG7の中でも、日本が群を抜いて安定した長期政権になっていると言ってよい。

年金を「政争の具」にした民進党

 一方で、民進党、共産党、社民党、自由党の野党4党は、迷走に迷走を重ねる1年となった。
 共産党が主導してきた「野党共闘」は矛盾をさらけ出し、参院選、都知事選、衆院補選のいずれも、支持を得られず敗北した。
 小沢一郎氏の政党など、「生活の党と山本太郎となかまたち」から「自由党」に党名変更したことさえ、少なからぬ国民がいまだ気づいてないのではないか。
 とりわけ、かつての政権党であり、今も野党第一党でありながら、年金制度改革法案をめぐって「年金カット法案」と騒いだ民進党には、失望の声が相次いでいる。

 民進党は、こうした現実を無視し、「年金カット法案」といった的外れの批判に終始した。国民の不安をあおり、政権不信を高める狙いがあったのだろう。
 民主党時代から、年金問題を政争の具にしてきた党の体質は、相変わらずである。(『読売新聞』12月15日社説)

 政府案を批判するならば代案を示さなければ議論は深まらない。民進党は年金の抜本改革を国会審議の中で求めたが、まずは自らの改革案を示すべきである。(『毎日新聞』12月16日社説)

 こうした厳しい非難を浴びてもなお、民進党は臨時国会の最終盤まで、審議拒否や参院議長への不信任決議案など〝議事妨害〟としか言いようのない行動を続けた。
 IR法は、もともと政府提出ではなく議員立法として出された案件であり、民進党が委員長を務める参院内閣委で、修正のうえ12月13日に採決されている。
 それにもかかわらず、民進党はふたたび「反対」を表明。通るはずもない不信任案を、筋違いにも内閣に対して出して「徹底抗戦」を叫ぶという、もはやかつての社会党の末期のような意味不明の混乱と醜態を見せたのである。
 歴史的成果を連打した自民・公明と、あまりにも劣化した「から騒ぎ」に終始した野党4党。与野党の成熟度と明暗がくっきり分かれた1年となった。

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