青年」カテゴリーアーカイブ

「だから日本はズレている」――変革はズレの認識から

社会学者 
古市憲寿

 日本が抱えるさまざまな課題。そこにある多くのズレに着目し、そこを浮き彫りにすることで見えてくる変革への道がある。

若者目線から感じたズレ

 以前に書いた『絶望の国の幸福な若者たち』という本を出版して以来、僕自身が若者として、いろいろな場所に呼ばれる機会が増えました。若者としての意見を求められる中で、そこで出会った〝大人の人たち〟を不思議な存在だなと感じていました。 続きを読む

よき対話は人の脳を活性化し人生を豊かで幸福にする

脳科学者/医学博士
岩崎一郎

 SNS(ソーシヤル・ネットワーキング・サービス)の登場によってコミュニケーションのあり方が大きく変わる一方、リアル(現実)の会話を苦手とする若者が増えているようだ。人間にとって会話はどのような意味を持つのか。対人恐怖を克服するため3000人以上との対話に挑んだ脳科学者の岩崎一郎氏に話を聞いた。 続きを読む

「助けて」の心が生み出す新たな社会

NPO法人 北九州ホームレス支援機構理事長
奥田知志

 25年に及ぶホームレス支援の活動から見えた本当の絆の在り方とは何か。「助けて」と言える社会を見据え、その基盤となる思想を語る。

「絆は傷を含む」という覚悟に立つ

 ホームレス支援や困窮者支援の活動を通じて感じることは、「努力が足りない」「怠けている」といった「助けられる側」への自己責任論とともに、「助ける側」に向けても「助けるなら最後まで自分ひとりの責任でやりなさい」という自己責任論があることです。このような自己責任論がある中では、助けることのハードルが上がり、おいそれと人助けなんてできなくなってしまいます。 続きを読む

若者が未来に希望を持てる社会をつくる

NPO法人D×P(ディーピー)共同代表
今井紀明

 若者支援を通して見えてくる「未来志向」のあり方。

通信制高校の実情

 私は今、主に通信制高校に通う生徒をサポートしています。そのきっかけとしていちばん大きなものは、「イラク人質事件」後に経験したバッシングです。 続きを読む

「若者に冷たい社会」を乗り越える

中央大学文学部教授
山田昌弘

 若者が生きづらい現代。「パラサイト・シングル」「婚活」「格差社会」など数々の概念を生み出してきた山田昌弘氏に若者の今を聞いた。

なぜ社会は若者に冷たくなったのか

 戦後、高度成長期から1990年代まで、若者は強者であったと思います。
 親世代の多くが零細な農家や自営業を営む一方、若者世代は経済成長によって大都市の工業やサービス産業などに従事し、安定した正規雇用(正社員)のもと、年功序列による終身雇用が保障されていました。 続きを読む