投稿者「web-daisanbunmei」のアーカイブ

人間関係で悩むすべての人に 「分人」の考え方を教えたい

小説家
平野啓一郎

自分が分からない不安がある

 現今の若者は、自分がどういう存在か分からない不安を抱えている人が多いようです。人との関わりの中で、相手によって異なった自分を演じているような気がして、相手の個性に翻弄され自分が失われてしまうのではないかという不安です。その不安の裏返しとして、自分を過剰に強く持とうとし、自らを必要以上に前面に押し出すような生き方が望ましいと誤解している風潮が強いように思います。 続きを読む

ネット情報の真偽をいかに見分けるか――ネット社会を生きる知恵

ライター
渋井哲也

デマ情報を打ち消すには〝多数決〟が有効

 世界中のサーバーがインターネットにつながり、膨大な情報を手軽に、しかも瞬時に入手できる時代です。そこには個人がメール感覚で何げなく発信する情報も含まれ、多彩なコミュニケーションの場が無尽蔵に広がっています。利便性がある一方で、誹誇中傷やデマ情報など反社会的な情報も簡単に流されてしまう。それがネット社会です。 続きを読む

【2013年新春鼎談】つながる社会――日本の進むべき道を語る

脳科学者 茂木健一郎
反貧困ネットワーク事務局長 湯浅 誠
作家 ジョン・キム

 課題多く、先行き不透明な社会が、今再び活力を取り戻すためのキーワードは「つながる社会」。茂木健一郎氏、湯浅誠氏、ジョン・キム氏がそれぞれの立場から、これから我々が抱える問題を切り開くヒントを語る。 続きを読む

【対談】若者の今――大卒でも無職になる時代に「働く」ということ

NPO法人「育て上げ」ネット理事長 工藤 啓

立命館大学大学院特別招聘准教授 西田亮介

内定を取れる学生 孤立する学生

西田 工藤さんはNPO法人「育て上げ」ネット理事長として、若年無業者(※注)の就労支援を進めてきました。工藤さんの著書『大卒だって無職になる』では、若年無業者のうち大卒者にスポットを当てています。
「若年無業者」という言い方をされると、大学生は「自分には関係ないことだ」と人ごとのようにとらえてしまうかもしれませんが、工藤さんの本を読むと、大学を卒業しても就職先が見つからない危機が現実感を持って迫ってきます。 続きを読む

穏健な中道主義で 国民のための政治を

政治評論家
森田 実

※この記事は2012年12月に行われた総選挙の前にインタビューしたものです。

偏狭な領土ナショナリズム

 孔子の論語に「遠慮なければ近憂あり」という言葉があります。ここでの「遠慮」とは、遠くのこと、つまり現在より先のことを考えることです。将来のことを考えて現実に臨まなければ必ず悪いことが起きるという意味です。
 これは現在の日本の政治にもあてはまります。2012年9月11日に民主党の野田内閣は、尖閣諸島国有化を閣議で決定しました。 続きを読む